国勢調査の数字に“わざと混ぜたノイズ”が禁止に。個人を守る「目隠し」が消える日
米商務省が6月11日、国勢調査局などの統計に「ノイズ注入(差分プライバシー)」を使うことを禁じる命令を出した。本当の数字に少しだけ乱数を混ぜて個人を守る手法だが——専門家は「有用性かプライバシーか、最悪その両方が損なわれる」と警告。4人が“数字に混ぜる目隠し”の意味を掘る。
ことね:今日はちょっと不思議な話。アメリカの国勢調査局はね、発表する数字に“わざと少しだけ乱数”——でたらめな数——を混ぜてたの。それを商務省が6月11日に「もう使うな」って禁止したのよ。正式には“ノイズ注入”っていう手法ね。
ひかり:えっ、お役所が、わざと“ちょっと間違った数字”を出してたの!?しかも今までOKだったのに急に禁止だなんて…どういうことなの〜!?
みずき:わざと間違えた数字を配ってた。…で、それ誰得なの。
ことね:それがね、“あなた”得なのよ。「30代・独身・この町・職業はこれ」みたいな細かい表を山ほど重ね合わせると、たった一人が逆算で特定できちゃう。実際2010年の“データを入れ替える”やり方は、あとから個人を復元できると分かって危なかったの。だからわざと数字をぼかして、誰か一人を狙い撃ちできないようにしてたわけ。
ひかり:えっ、表をいっぱい集めると、ひとりが浮かび上がっちゃうの!?こわっ…!じゃあ、その“ぼかし”がなくなったら、どうなるの?
ことね:プライバシー研究のテッドさん(Damien Desfontaines)は「有用性かプライバシーか、最悪その両方が損なわれる」と警告してる。しかも皮肉なことに、ノイズを使わない昔ながらの手法も、結局どこかで“乱数”を使ってるの。だから「ノイズ禁止」って言いきると、話のつじつまが合わなくなる、って。
みずき:個人がバレないように、ちょっとボカす。…むしろ親切では?それを“正確じゃない”って怒るの、写真のモザイクに「顔が見えない!」ってキレるのと同じでしょ。
ひなた:ふぁ〜…数字に、ちょっぴり“塩こしょう”を振る感じなのです。振りすぎたらお料理の味が消えちゃうけど、ぜんぶ素材まる見えだと…どこの誰の畑のお野菜か、ばれちゃうのです。
ことね:ひなた、それがまさに“さじ加減”の話なの。塩を振るほど個人は隠れるけど、統計としての“味”は薄まる。そのいちばん良いバランスを数学で決められるのが、今いちばんマシな道具だった——それを丸ごと禁止、っていうのが今回ね。
まとめ:きょうの天秤:プライバシーって、結局“ちょうどいいボカし”のさじ加減。混ぜすぎれば数字が死に、混ぜなければ個人が死ぬ——その一点を狙う技を、まるごと禁止できるのかな。…ひなた曰く「塩はひとつまみが、世界一むずかしいのです」。