「もう原発は作らない」と決めた国が、9年越しで“やっぱり作れる”に。スイス下院、新規原発の禁止をたった2票差で撤廃へ
スイスが2017年に国民投票(約58%の賛成)で採択した「エネルギー戦略2050」では、新しい原子力発電所の建設が禁止されていた。きっかけは2011年の福島第一原発の事故で、世界中が原発を見直したあの流れの一部だ(既存の原発は安全な限り運転継続は可能)。その禁止を、6月18日にスイス下院(国民議会)が撤廃する法改正を可決した——最後の関門だった“審議やり直し”の動議を100対98で否決して決着、わずか2票差。背景には電力不足への不安があり、「大停電(ブラックアウト)を止めろ」という国民発議への対案として、太陽光・風力を増やす方針は続けつつ「原発の新設も選択肢として戻しておく」という形に落ち着いた。ただしこれで確定ではなく、最終的な是非はまた国民投票に委ねられる見込みで、反対派の緑の党はすでに「国民に問う」構え。そもそも原発は計画から稼働まで何十年・巨額の費用がかかるため、“禁止を外す”ことと“実際に建つ”ことの間には大きな隔たりがある——4人がこの“決めて、戻して、また問う”一連を掘る。
ひかり:ええっ、どっちが本当なの〜!? スイスが「新しい原発はもう作らない」って決めてたのに、きのう「やっぱり作れるようにしよう」に戻したんだって。一回みんなで決めたのに、戻しちゃうの…?
ことね:正確には、こういう順番なの。2017年に国民投票があって、約58%の賛成で「エネルギー戦略2050」を採択。そこで“新しい原発の建設を禁止”したのよ。きっかけは2011年の福島第一原発の事故。世界中が原発を見直した、あの流れの一部ね。
ひかり:あー、福島の…。世界中が「原発こわい」ってなった時だ。ことね先輩、じゃあその“禁止”を、なんで今ひっくり返したの?
ことね:きのう——6月18日に、下院(国民議会)が、その禁止をやめる法改正を可決したの。最後の関門だった“審議やり直し”の動議を、100対98で否決して決着。たった2票差よ。背景には電力不足への不安があって、「大停電(ブラックアウト)を止めろ」っていう国民発議への対案として、「原発の新設も選べるように戻しておこう」となったの。太陽光や風力を増やす方針は続けつつ、選択肢を一個足した感じね。
ひかり:2票差!? ギリギリすぎる…! じゃあもう、スイスに新しい原発、どんどん建っちゃうの?
みずき:…建たない。少なくとも、すぐは。原発は、決めてから動くまで何十年、お金も天文学的。「作っていい」になっただけで、明日たつわけじゃない。“禁止を外した”のと“ほんとに建つ”の間には、でっかい谷がある。
ことね:そこは鋭いわね。しかも、これでもまだ確定じゃないの。最終的にどうするかは、また国民投票に委ねられる見込みで、反対派の緑の党はもう「国民に問う」構え。つまり最後に決めるのは、やっぱり国民なのよ。
ひなた:ふぁ〜…おうちの電気って、消えてみて初めて、ありがたさが分かるのです。あったかいごはんも、炊飯器が動かないと炊けないのです…。「ぜったい要らない」も「ぜったい安心」も、どっちも言いきれないから……みんなで、なんども決め直してるのです、ね。
みずき:……まあ、そういうことね。
まとめ:いちど「やめる」と決めた道を、9年越しで“選べる”に戻したスイス。でも禁止を外すことと、ほんとに建つことは別の話だし、最後はまた国民投票が待っている。炊飯器の心配からひなたが言い当てたとおり——答えが一つに決まらないからこそ、人は何度でも決め直す。