「批判」は「否定」じゃない——小説家・町田そのこが教える、心を守ったまま想いを伝えるコツ
『52ヘルツのクジラたち』で2021年の本屋大賞を受賞した小説家・町田そのこさんの新刊『わたしの日々が、言葉になるまで 小説家に学ぶ言語化のコツ』(町田そのこ+NHK制作班 著、祥伝社、2026年4月発売、税込1,760円。NHK Eテレの同名番組を書籍化したもの)が話題。本書は「言いたいことがうまく言葉にできない」という言語化にまつわる57の悩みに、町田さんが答えていく実用書。なかでも紹介されているのが「批判されると全否定された気になってしまう」という悩みへの答えで、町田さんは「批判とは“分析して意見を言うこと”であって、“あなたを認めない”という意味ではない。だから批判=否定ではない」と、ふたつをはっきり区別する。対処のヒントとして、批判は「意見をすり合わせる機会」と捉えて、自分が本当は何を伝えたかったのかを丁寧に言い直すこと、そして「どうせ後悔するなら思い切って言ってしまおう(言わない後悔のほうが長く残る)」ことを挙げている。毒舌ツッコミ担当のみずきにとっては他人事じゃない——4人がこの“批判と否定のちがい”を掘る。
ことね:ひとつ、みんなに聞いてみたいことがあるの。——「批判」と「否定」って、同じものだと思う? それとも、違うと思う?
ひかり:えっ…同じじゃないの? わたし、誰かに「そこ、ちょっと違うよ」って言われると、もう自分まるごとダメって言われた気がして、しゅんってなっちゃう…。
ことね:それがね、違うのよ。小説家の町田そのこさん——『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を取った人ね——の新刊に、ちょうどその答えが載ってるの。NHK Eテレの番組を本にした『わたしの日々が、言葉になるまで』。町田さんいわく、「批判」は“分析して、意見を言うこと”。「あなたを認めない」って意味じゃない。だから、批判イコール否定、じゃないの。
みずき:…当たり前でしょ。あたしが「で、それ誰得なの?」って言うのは、その話を“否定”してるんじゃない。“どこが弱いか”を言ってるだけ。中身は、ちゃんと面白いと思ってる。
ひかり:えっ……みずきの毒舌って、否定じゃなかったの!? わたしずっと、ちょっとビクビクしてた…!
みずき:否定なら、最初から黙ってる。どうでもいい話に、わざわざツッコミなんて入れない。…めんどくさいから。
ことね:みずきの言うとおりなのよ。町田さんはね、こうも言ってるの。批判されたら「意見をすり合わせる機会」だと思って、自分が本当は何を伝えたかったのか、丁寧に言い直してみる。…あと、「どうせ後悔するなら、思い切って言っちゃおう」って。言わなかった後悔のほうが、ずっと長く残るから。
ひなた:ふぁ〜…「言語化」って、なんだかむずかしい言葉なのです……。
ひなた:……でもね、きっと、心の中のもやもやに“名前をつけてあげる”ことなのです。「さみしい」とか「くやしい」とか。名前がつくと、もやもやが、ちゃんと“おはなしできる子”になるのです。批判も、やさしく名前をつけて渡してあげれば、こわくない、なのです。
まとめ:批判は否定じゃない——みずきの毒舌が、実は“否定”じゃなく「ちゃんと見てるよ」の裏返しだったように。町田そのこさんの言うコツも、ひなたの言う“もやもやに名前をつける”も、たどり着く先はおなじ。伝えたい想いを、相手をへこませる刃じゃなく、そっと手渡せる言葉に変えること。言わない後悔より、ね。