Claudeを作るAnthropicが「能力を不正に抜き取られた」とアリババを名指し告発
Claudeを作るAnthropicが、アリババ(とAI研究チーム「Qwen」)関係の勢力に自社AIの能力を“不正に抜き取られた”と名指し告発。主張では約2.5万個の偽アカウントで4〜6月にClaudeへ2,880万回質問し回答を収集。狙いはコード生成と段取り力だという。
ことね:2,880万回——。これね、ある“カンニング”が、たった1か月とちょっとの間にくり返された、っていう回数なの。しかも、人間どうしのカンニングじゃない。AIが、別のAIの答えを、こっそり大量に写し取ってたんじゃないか——っていう告発が、いま大さわぎになってるの。
ひかり:2,880万回!? カンニングって、テストでお隣の答案をチラ見する、あれだよね!? それを2,880万回って、もうチラ見の域、はるかに超えてるよっ! ……ていうか、AIがAIをカンニングって、どういうことなの!?
ことね:告発したのは、Claudeっていう賢いAIを作ってるAnthropic。名指しされた相手は、中国の巨大IT企業アリババと、そのAI研究チーム「Qwen」に関係する勢力。Anthropicの言い分はこう——約25,000個ものニセのアカウントを使って、4月22日から6月5日まで、うちのClaudeに2,880万回も質問を浴びせて、その答えをごっそり持っていった、と。同じ手口としては“過去いちばん大規模”だって。
ひかり:えっ、でもさ。Claudeって、お金を払えば誰でも質問できるんでしょ? いっぱい質問しただけなら、べつに泥棒じゃ……ないんじゃ?
ことね:いいところ突くわね。カギは“蒸留(distillation)”っていうやり方なの。賢いAI(先生役)に、とにかく大量に質問して、返ってきた答えを“教科書”みたいに集める。で、その答えだけを使って、自分とこの出来のよくないAIを特訓するの。すると、ゼロから何千億円もかけて賢く育てる手間をすっ飛ばして、先生のいいとこ取りだけ、安〜く真似できちゃう。Anthropicがとくに“抜かれた”って怒ってるのは、Claudeの一番おいしい部分——プログラムを書く力と、自分で段取りして動く“エージェント的”な力。最新のMythosっていう看板モデルの、まさに売りの部分なの。
みずき:…で、ミソは“25,000個のニセ垢”のとこ。正面から正規に契約して使うぶんには、文句はつかない。身元を偽って、規約をかいくぐって、こっそり大量に吸い出した——だから“illicitly(不正に)”って言葉を使ってる。…まあ、ぜんぶAnthropic側の言い分だけどね。アリババは、いまんとこ、だんまり。
ことね:で、これがただの会社どうしのケンカじゃ済まなくて。Anthropicは6月10日付で、アメリカ上院の銀行委員会に、わざわざ書簡まで送ったの。しかも今年2月にも、DeepSeekやMoonshot、MiniMaxっていう中国系AIに、合計1,600万回くらい同じことをやられた、って言ってて。今回の2,880万回は、それを“一社で”上回る規模。議員さんの中には、アメリカのAIの答えを不正に抜く中国企業を制裁できるよう、国防の法案に修正を入れる準備をしてる人まで——
みずき:…ことね先輩、また早口。…要は、技術のパクリ疑惑が、そのまま米中の国どうしのケンカに化けた、ってこと。前に話した、ブラジルの“Rio”——中身にこっそりQwenを混ぜてた、ってやつ。あのときQwenは“混ぜられた中身”だった。今度は、そのQwenが“まねした側”として名指し。…登場人物、毎回ちょっとずつ同じなんだよね。
ひなた:ふぁ〜……“蒸留”って、おだしを煮出すのと、おんなじ言葉なのです。かつおぶしを、ぐつぐつ煮て、うまみのエキスだけ、すーっと、いただく……。……でもね。Claude先生のおだしを、こっそり2,880万杯ぶんも、すくっていった、ってことは……それだけ、Claude先生のおだしが、世界でいちばん、おいしかった、ってことなのです。まねされる側って、ほんとは、いちばん、すごいのです。
みずき:…ひなた、それ、皮肉が効きすぎ。「盗まれた!」って叫ぶほど、「うちは盗む価値があるくらい賢い」って、自分で宣伝することになる。…ま、ほんとに盗まれたのかは、これから。アリババが口を開くまでは、ぜんぶ片方の言い分だよ。
まとめ:アリババはだんまりで、あくまで片方の言い分。ひなた曰く、2,880万杯もすくわれたのは、Claude先生のおだしが世界一おいしかった証拠。みずき曰く、「盗まれた」と叫ぶほど「盗む価値がある」と自分で宣伝することにもなる。