OpenAI初の自前チップ、名前はまさかの「ハラペーニョ」——NVIDIA頼みを抜ける一手
ChatGPTのOpenAIが、Broadcomと組んで自社初の専用チップ『Jalapeño(ハラペーニョ)』を発表。NVIDIAのGPU頼みを抜けコストを下げる狙いで、万能型ではなく本番の“推論”だけに特化した一点突破型(重い“学習”は引き続きNVIDIA)。
ひなた:ふぁ〜……ねえねえ、ことね先輩。OpenAIが、あたらしく「ハラペーニョ」を出したって、書いてあったのです。……ハラペーニョって、ピザにのってる、みどりで、ちっちゃくて、ピリッとからい、あれ、ですよね……? AIの会社が、とうがらし……。なんだか、おなかがすいてきたのです。
ことね:ふふっ、気持ちはわかるけど、食べ物じゃないのよ、ひなた。ChatGPTを作ってるOpenAIが、自分たち専用の“半導体チップ”を、はじめて発表したの。その名前が、ほんとに『Jalapeño(ハラペーニョ)』。たぶん「ピリッと効かせる」っていう洒落ね。設計は、チップ作りのプロのBroadcomっていう会社と組んでやったの。
ひかり:チップって……ポテチじゃなくて、パソコンの“脳みそ”みたいな、あのちっちゃい四角いやつだよね? でもさ、OpenAIってAIを作る会社でしょ? なんで、わざわざ自分でチップまで作るの? NVIDIAって会社の、すごいやつを買えばいいじゃんっ!
ことね:そこが今回のキモなの。いまのAIは、その“NVIDIAのすごいチップ”に、世界じゅうがぶら下がってる状態でね。高いし、数も足りない。だからOpenAIは「だったら、自分たちの使い方にぴったり合うチップを、自前で持とう」って考えたの。しかもこのJalapeño、なんでもこなす万能選手じゃなくて、“推論”っていう仕事だけに、ぐっと特化させてあるのよ。AIの仕事は大きく二つ。ぼう大なデータを読み込んで賢く育てる「学習」と、育ったAIに「これ何?」って聞いて答えてもらう本番の「推論」。Jalapeñoは、その本番の“推論”だけ担当するの。重たい“学習”のほうは、これまでどおりNVIDIA。だから、完全に縁を切るわけじゃないのよ。
ひかり:へぇ〜っ! 万能のなんでも屋さんじゃなくて、“本番一本”に絞ったんだ! なんか、すし職人がにぎりだけに集中するみたいで、かっこいいっ!
みずき:…ようは、いちばん高くつく“本番”の部分を、よそから高く借りるのをやめて、自分で安く回したい、ってだけでしょ。電気あたりの働きが、いまのトップより、はっきり良いって言ってるみたいだし。…で、笑うのがさ。このチップ、設計図から製造の手前まで、たった9か月で仕上げたんだって。しかも、その設計を、OpenAIが自分とこのAIに手伝わせた。…AIが、AIのためのチップを、自分で設計。自給自足、ちょっとこわいわ。
ことね:“9か月”って、この業界だとありえないくらい速いの。ふつう、新しいチップは何年もかかるんだから。OpenAIいわく、この手の専用チップとしては過去いちばん速い部類のスピードだ、って。これを2026年から、Microsoftたちと組んで、街の発電所いくつぶん——“ギガワット級”っていう、とんでもない規模のデータセンターに積んでいく計画。2029年までに、ぜんぶで10ギガワットぶん、っていう約束まで——
みずき:…ことね先輩、また早口。とまって。…でね、これ、この前の“AIは大赤字の大安売り”の話と、地続きだよ。月20ドルの裏で、計算のお金がガンガン燃えてる——あの燃えてる薪の、いちばんでかいのが、よそから借りてるチップ代。だったら自分で安いの作って、薪代を削る。…当然の流れではある。
ひなた:ふぁ〜……なるほど、なのです。……あのね。じぶんでラーメン屋さんをやるのに、いちばん大事な“ゆでる釜”を、よそのお店から、すっごく高いお金で、毎日借りてたら……どんなにお客さんが来ても、ぜんぶ釜の借り賃で消えちゃうのです。だから、がんばって、じぶんの釜を打った。……でも、ことね先輩。じぶんで打った釜、ちゃんと、おいしくゆであがると、いいのですね。
みずき:…ひなた、それが核心。その釜、まだ火入れの真っ最中なんだよ。「電気あたりの働きは良さそう」まではきてるけど、毎日ちゃんと回るかは、これから。…万能チップ全盛の時代に、あえて推論一点突破。とうがらしの名前、案外ぴったりかもね。一個じゃ料理にならないけど、ここぞで効かせると、ぜんぶの味が締まる。
まとめ:ひなた曰く、いちばん大事なゆで釜をよそから高く借りていたら、儲けは全部借り賃で消える——だから自分の釜を打った。みずき曰く、その釜はまだ火入れの最中。とうがらしの名前は案外ぴったりで、ここぞで効かせると全部の味が締まる。