フォード、AIの品質チェックが不良を止められず「白ヒゲのベテラン」を350人呼び戻す

「AIが仕事を奪う」の逆をいく話。フォードが、品質チェックを任せたAIだけでは不良を止めきれず、“gray beard”と呼ぶベテラン技術者をこの3年で約350人再雇用。背景は業界最悪レベルのリコール率など深刻な品質問題だ。

ひかり:うわっ、なにこの見出し!? 「フォードが“白ヒゲ部隊”を、350人、呼び戻した」だって! し、白ヒゲ部隊って、なに!? 海賊!? サンタさんの精鋭部隊!? なんでそんなのが、車の会社にっ!?

ことね:ふふ、海賊じゃないの。“gray beard”——白髪まじりの、すっごく経験豊富な大ベテラン技術者のこと。自動車のフォードが、その人たちを、この3年で約350人も呼び戻したの。多くは、一度フォードを辞めた元社員や、取引先から来てもらった人たち。実はこれ、ちょっと驚きの話で——フォードは、品質チェックをAIや自動システムに任せていってたの。なのに、わざわざ人間のベテランを呼び戻した、っていう逆向きのニュースなのよ。

ひかり:えっ、なんで? AIがチェックしてくれるなら、人いらないじゃん。むしろ、ベテランの人って、お給料も高そうだし……。なんでわざわざ、お金かけて呼び戻すの?

ことね:それがね、AI任せにした結果、不良がうまく止められなかったの。フォードは品質トラブルで何十億ドルもの損失を出してて、業界でも最悪レベルのリコール率。今年も、保証や材料の費用で10億ドル規模を見込んでる。COO——会社の現場のトップね——のガルホトラさんも、はっきり認めてるの。「自動化したシステムに頼りすぎて、望む結果が出ていなかった」って。

みずき:…で、ここがいちばん面白い。呼び戻したベテランの仕事はね、「AIをクビにすること」じゃないんだよ。「AIに、教えること」。AIが何を見落としてるかを洗い出して、不良が工場に届く前に見つけられるよう、AIを仕込み直す。ついでに若手も鍛える。…前に話した、AIが人間ぬきでテストしてバグ直す道具の話、あったじゃん。あれの、ちょうど真逆。AIだけじゃ、肝心のところで詰める“最後のひと押し”が、できなかったってこと。

ひかり:AIをクビにするんじゃなくて、AIの“先生”として呼び戻した!? なんかそれ……すっごい皮肉っ! で、その白ヒゲ先生たち、ちゃんと結果は出したの?

ことね:それがね、ちゃんと出したの。フォードは、最新のJ.D.パワー初期品質調査で、“大衆ブランドの首位”に立ったの。これ、なんと16年ぶりの快挙。フォードより上にいたのは、ポルシェとジェネシスっていう、お高い高級ブランドだけ。車両ハードウェア技術担当のプーンさんの言葉が、もう全部を言い表してて——「AIは素晴らしい道具。でも、教えたぶんしか、賢くならない」。

ひなた:ふぁ〜……あのね。レシピどおりに、きっちり作るのは、AIさん、とっても得意だと思うのです。……でもね。煮物をひとくち味見して、「あ、お塩、ちょっとだけ多いかも」って、ぴんと気づくのは……何千回も、何万回も、お鍋の前に立ってきた、おばあちゃんの、舌、なのです。……その“ちょっと”は、レシピには、書いてないのです。

みずき:…ひなた、それが核心。レシピに書ける部分は、AIがやればいい。でも「レシピに書いてない“ちょっと”」に気づくのは、まだ人間の出番なんだよ。…“AIが仕事を奪う”って話ばっかりの中で、「AIにダメ出しして、AIに教える」っていう、いちばん人くさい仕事が、いちばん値打ちが出た。…白ヒゲ、最強だね。

まとめ:彼らの役目は「AIをクビにする」でなく「AIに教える」こと。ひなた曰く、味見して塩加減に気づくのは何千回も鍋の前に立ったおばあちゃんの舌。みずき曰く、AIにダメ出しして教える仕事がいちばん値打ちが出た。白ヒゲ最強。

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