2000年前に炭化した巻物を、一度も開かず最初から最後まで読み切った——人類史上初

紀元79年のヴェスヴィオ噴火で炭化し2000年眠っていたヘルクラネウムの巻物を、一度も開かず丸ごと読み切った人類史上初の快挙。開くと砕けるため、巨大装置ESRFのX線で中身を撮影し、機械学習でインクの跡を探して仮想的に開いた。中身は紀元前2世紀のストア派の倫理学。

ことね:ねえねえ聞いて、すごいことが起きたの! 2000年前、火山にのまれて、真っ黒焦げの炭になっちゃった巻物——それを一度も開かずに、最初から最後まで“ぜんぶ”読み切ったの! 人類史上、はじめて! これはね、紀元79年のヴェスヴィオ火山の大噴火で、ヘルクラネウムって町の図書館がまるごと炭になって、その中で2000年も眠ってた一本で——あっ、ごめん、早口になってる?

ひかり:ま、待って待ってことね先輩、目がキラッキラしてるっ! ちょっと整理させて? えっと……2000年前の、火事で真っ黒焦げになった巻物を……“開かずに”読んだ!? 焦げてるのに!? しかも開けないのに、どうやって中の字を読むのっ!?

ことね:そこが今回いちばんすごいところなの。その巻物——PHerc.1667っていう名前なんだけど——炭だから、開こうとすると、パリッと砕けて、おしまい。だから“物理的には、絶対に開けない”の。かわりにね、フランスにある巨大な装置で、ものすごく細かいX線をあてて、中身を輪切りのレントゲンみたいに丸ごと撮るの。そのデータを、AIに「かすかなインクの跡はどこ?」って探させて、画面の中で“ぐるーっと”巻き戻して、平らに開いた、ってわけ。

ひかり:X線で中をスキャンして、AIに字を探させる……つまり、巻物をまるごとCTスキャンにかけたんだ! すごっ……で、で、なにが書いてあったの!? 2000年ごしのメッセージ、めちゃくちゃ気になるっ!

みずき:…古代ギリシャ語で、約22段ぶん、長さ1.4メートル。中身は——倫理学の本。紀元前2世紀の、ストア派っていう哲学のお説教だよ。「人は、自分の本性から離れたら、何を探しても掴めない」みたいな。…2000年、炭の中でじっと待って、出てきた第一声が、人生のお説教。…まあ、墓場から掘り出したのが説教って、ちょっと先生っぽくはあるけど。

ひかり:2000年待って、出てきた第一声が人生訓!? なんか……重みがすごいよっ! でもさ、たった1本読むのに、そんな大がかりな機械いるの? もっとパパッと読めないの?

ことね:それがね、これまでは“ちょっと”しか読めてなかったの。このプロジェクト、「ヴェスヴィオ・チャレンジ」っていって、2023年に始まったんだけど——最初は、その年に文字がたった数個読めただけで世界中が大騒ぎ、その翌年にやっと“何か所か”読めて大賞が出た。それが今回、ついに「最初から最後まで、丸ごと一本」。しかもね、読んだチームの多くは、元はただの腕自慢の一般参加者なの。コンテストで賞をとって、そのまま中の人になった人たち。データも、ぜんぶタダで公開されてるのよ。

ひなた:ふぁ〜……あのね。わたし、おせんべいを焼きすぎて、真っ黒焦げにしちゃったこと、あるのです。……もう食べられない、って、ぽいって、捨てちゃったのです。……でもね。もし、その真っ黒こげの中に、ずーっと昔のひとの、お手紙が隠れてたとしたら……。捨てなくて、ほんとうに、よかったのです。

みずき:…ひなた、それ核心ついてる。みんな2000年ずっと「焦げカスが読めるわけない」ってあきらめてた。それを「いや、開けずに中を見ればいいじゃん」ってしつこく言い張った人がいたから、今日になって、炭がしゃべりだした。…“もう無理”を、誰かが疑いつづけたから、っていう話だよ、これ。

まとめ:ひなた曰く、焼きすぎて真っ黒なおせんべいにも昔の人の手紙が隠れていたなら、捨てなくてよかった。みずき曰く、みんなが2000年あきらめた「焦げが読めるわけない」を、誰かがしつこく疑い続けたから、今日、炭がしゃべりだした。

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