『南極料理人』の沖田監督が初小説、主人公は3人とも“さとこ”
映画『南極料理人』の沖田修一監督が、初の本格書き下ろし小説『さとこはいつも』を8月21日に刊行(文藝春秋)。中2・35歳・55歳——漢字も人生も違う3人の“さとこ”が「書かずにいられない」物語を書きはじめる3編。
みずき:…7月の部室で、隣から“ぐぅ”って聞こえたんだけど。原因はこの記事の目次ね。——『南極料理人』の沖田監督が、小説を出すんだって。
ひなた:ふぁ〜、だって目次に「おでんにはもってこいの日」って書いてあるのです……。真夏なのに、おでんが もってこられて しまうのです……。
ことね:ふふ、二人とも目のつけどころが早いわね。映画監督の沖田修一さん——『南極料理人』や『横道世之介』『モリのいる場所』を撮った人ね——が、初の本格書き下ろし小説『さとこはいつも』を出すの。文藝春秋から8月21日刊行。ちょうど長編映画のデビューから20周年なのよ。
ひなた:『南極料理人』、知ってるのです! 南極の基地で、隊員さんのごはんを作りつづける映画なのです。ばんごはんのエビフライが、すっごく大きいのです……ふぁ〜、思い出したら おなかが……。
ことね:はいはい、それはあとでね。それでこの小説、主人公が3人いて、全員“さとこ”なの。高校受験を控えたソフトボール部の中2・中井聡子、映画配給会社で働く35歳・西田沙都子、息子3人のお弁当を20年作ってきた55歳の主婦・飯島里子。漢字も年齢も人生もばらばらの“さとこ”たちが、それぞれ「書かずにいられない」物語——初恋とか、ひみつとか、家族とか——を抱えて、書きはじめる話なんですって。「初恋とネブライザー」「おでんにはもってこいの日」「小鳥と雪の本屋さん」の3編構成よ。
みずき:…映画監督なんだから、書くのは本業みたいなものでは。今さら小説って、どうせ映画の宣伝……あ。同名の映画、9月18日に公開だって。ほらね。
ことね:そう思うでしょ? でも順番が逆なの。これ、映画を後から文章にしたノベライズじゃなくて、映画を作っている最中に「脚本ではこの人たちの内面まで描ききれない」と感じて、一から書き下ろした小説なんですって。ご本人いわく「書きたいけど、あんまり上手く書けない、どこにでもいそうな普通の人の気持ちを書きました」。映画と一緒でも、小説だけでも楽しめるって言ってるわ。
みずき:……“上手く書けない普通の人の気持ち”を書けるなら、それ、いちばん上手いやつじゃん。……ふん。おでんの回だけ、読んであげてもいい。
ひなた:ふぁ〜……“さとこ”さんが3人いても、おんなじ“さとこ”さんは ひとりも いないのです……。じゃあ「どこにでもいそうな普通の人」って、ほんとは どこにも いないのですね……。……それはそれとして、おでんは大根から食べるのです。
まとめ:“どこにでもいそうな普通の人”が3人集まると、どこにもない物語になる。読む順番は自由——ただし真夏でも、おでんの回からで。