Androidが“登録した開発者のアプリしか動かない”世界へ——F-Droidが猛反発
Googleが進める「開発者検証」——身元を登録した開発者のアプリしか ふつうのAndroid端末に入れられなくなる仕組みに、アプリストアF-Droidが「保護のふりをした脅威」と猛反発。まず9月末にブラジルなど4か国から始まる予定だ。
ひかり:ねえみずき、前に教えてもらった広告が消えるアプリさ、Google Playに無いんだね? 「提供元不明のアプリ」とか警告が出て、ドキドキしながら入れたんだけど……あれ、大丈夫なやつ?
みずき:…大丈夫。というか、今のうちに堪能しておいて。——そういう“ストアの外のアプリ”が、ふつうのスマホで動かせなくなるかも、って騒ぎになってるから。
ひかり:えっ何それ!? 入れたばっかりなのに!? ……ことね先輩、出番だよっ!
ことね:はいはい、順番に整理しましょう。Googleが進めている「開発者検証」という制度の話ね。Androidのアプリを作る人は、身分証を出して登録料を払い、Googleに登録すること。登録していない開発者のアプリは、Playストアの外で配るもの——ひかりの入れた“野良アプリ”も含めて——ふつうのAndroid端末に入れられなくなっていくの。9月末に、まずブラジル・インドネシア・シンガポール・タイの4か国から始まる予定よ。
ひかり:うーん、でもさ、悪いアプリを作る人を締め出すためでしょ? ウイルスとか怖いし、身元確認くらい、いいことなんじゃないの?
ことね:Googleの説明はまさに“マルウェア対策”。でもそこへ「保護のふりをした脅威だ」と真っ向から反論したのが、F-Droid——オープンソースの無料アプリだけを集めた老舗の非営利ストアね。いわく、悪意ある業者は身元を偽ってでも登録するから、犯罪の抑止にはほとんどならない。その一方で規約には何がマルウェアかの明確な定義がなくて、事実上“Googleがそう判断したもの”になっている。実際、広告ブロッカーがストアから締め出された例は過去にあるのよ。
みずき:…つまり、悪者を止められる保証は無いのに、“Googleの気に入らないアプリを止める力”だけは確実に手に入る、と。……野良アプリを取り締まる保健所が、ペットショップも経営してるんだけど。それ、誰も利益相反って言わないの?
ひかり:ま、待って! じゃあF-Droidのアプリも、わたしの広告消しさんも、ある日とつぜん「お使いいただけません」になるかもってこと!? スマホって、わたしのものじゃなかったの!?
ことね:そこが論点の核心ね。影響しうるAndroid端末は世界に約40億台。批判を受けてGoogleも、学生や趣味の開発者向けの別枠や、上級者が自己責任でインストールできる仕組みを用意すると説明しているわ。ただ……この前、“強いAIの蛇口を国が握る”話をしたでしょう? 今度は“スマホの鍵を一社が握る”話。開いていた扉が閉まっていく音って、案外こういう静かな音なのかもしれないわね。
みずき:…“安全のために鍵をつけます。合鍵は全部こちらで預かります”。——それ、警備と乗っ取り、どっちのセリフ?
まとめ:鍵をかけてくれるのはありがたい。でもその合鍵を世界で一社だけが握るなら、それは警備か、乗っ取りか——40億台のスマホで、いま試されている。