「ボロい掲示板を取り戻せ」——SNS時代に響く“昔のフォーラム”待望論
米ウェブメディアTediumが「ボロくても掲示板(フォーラム)は良かった」と一席。アルゴリズムが流れを決めるSNSより、同じ趣味の人が集まる昔のフォーラムのほうがコミュニティとして健全だった——という懐かしさ半分、本気半分の論考。
ひかり:ねえみんな聞いて! 昨日、推しの昔のインタビューをさがして検索の奥地に潜ってたら、2005年の“掲示板”に流れ着いたの! 虹色に光る文字、回りつづける「工事中」のGIF……ネットの遺跡発掘かと思った! そしたらさ、ちょうど海外で「そういうボロい掲示板を取り戻せ!」って記事が盛り上がってるんだって!
ことね:ふふ、いいところに流れ着いたわね。アメリカのウェブメディアTedium(ティーディアム)の記事ね。筆者のアーニー・スミスさんが、2000年代に入り浸っていた新聞デザイナー向けのフォーラム——趣味や仕事のテーマごとに人が集まる掲示板ね——を振り返って、「たしかに不便でボロかった。でも、いまのSNSが失くしたものが全部あった」と論じているの。
ひかり:うーん、でもフォーラムもSNSも“みんなで書き込む場所”でしょ? 何がそんなに違うの?
ことね:決定的なのは“流れを決めるのが誰か”ね。SNSは、アルゴリズムがあなたの反応しそうな投稿を選んで、世界中から無限に流し込んでくる。知らない人の結婚式と大事件と猫が同じ画面に並ぶ——ばらばらの文脈が一点に押し寄せる状態ね。フォーラムは逆で、同じ“好き”を持つ人が同じ場所に集まって、話題ごとのスレッドが並んでいるだけ。狭いかわりに、顔なじみと“ここの空気”が育つの。記事が引く心理学者いわく、SNSは「うまくいくコミュニティの原則を無視して、関与のアルゴリズムで回っている」——
みずき:…で、その良さげなボロ掲示板は、なんで滅んだわけ。
ことね:維持よ。当時のフォーラムは、phpBBみたいな無料ソフトを個人が自腹のサーバーに置いて運営していたの。人が集まればサーバーは落ちる、ハッキングもされる、荒らしとも戦う——ぜんぶ管理人ひとりの善意でね。そこへ「場所はこちらで用意します、あなたは書くだけ」というRedditのようなサービスが現れて、みんなそちらへ移っていった。ちなみにウェブ掲示板の始まりは古くて、1994年に欧州の研究所CERNで作られた「WIT」が最初期と言われ——
みずき:…歴史の授業はそこまで。——滅びた理由が「つまらないから」じゃなくて「管理人が過労だから」なの、なかなか味わい深いんだけど。……で、今さら取り戻して誰得? って聞こうとしたけど、アルゴリズムに餌をやられ続ける今より、マシな気がしてきた。
ひなた:ふぁ〜……あの、それって、わたしたちの部室のことなのでは……? “秘密結社きになる団”も、好きな人だけが集まって、気になる話をひとつずつ、のんびりしてるのです……。バズらないけど、ここの話がいちばん おいしいのです……。
ひかり:……あーっ!! ほんとだ、うちの部活、完全に“フォーラム”だ! じゃあわたしたち、時代遅れどころか最先端の懐かしさってこと!? やった〜!
みずき:…じゃ、団長はサーバー代と荒らし対応の当番ね。……言ったでしょ、あれは管理人の過労で滅ぶの。
まとめ:SNSは世界中に届いて、誰の居場所にもならない。ボロい掲示板は狭くて不便で、だから“ここの空気”が育つ——気づけば部室も、そういう場所だった。