AIに100ドルでMV丸投げ、主人公が毎カット別人に
あるAI企業が、最新AI「Claude Fable 5」と「GPT-5.6 Sol」に各100ドルを渡し、ブルーノ・マーズ『Uptown Funk』のMVを丸ごと自作させて比較。両者とも動画は作れたが、主人公が毎カット別人になり、完成後に自分で見返して直す工程が抜けていた。
ひかり:見て見てー! これ、AIが100ドルで作ったミュージックビデオなんだけど……主人公の顔、1カットごとに別人になってくの! さっきまで金髪だった女の子が、次のカットで黒髪のおじさんになってる! なんでー!?
ことね:あはは、それがまさに"いまのAIの限界"がぜんぶ出てるところなの。あるAI開発の会社が、面白い実験をしてね。最新のAIふたり——AnthropicのClaude Fable 5と、OpenAIのGPT-5.6 Sol——に、それぞれ100ドルぶんの"おこづかい"と道具箱を渡して、"この曲のミュージックビデオを、ぜんぶ自分で作ってきて"って丸投げしたの。曲はブルーノ・マーズたちの『Uptown Funk』。
ひかり:自分で全部!? どうやって作るのー? AIって、絵は描けても、動画まで作れちゃうんだ?
ことね:道具箱の中身がすごくてね。ネットで調べる、予算の残りを確認する、画像を作る、その画像を動画にする、最後にffmpegっていう編集ソフトで全部つなぐ——この一式を渡して、"どの道具をいつ使うかも自分で決めていい"って完全にお任せ。人間は、指一本ふれてないの。
みずき:…で。その"完全お任せ"の結果が、カットごとに顔が変わる主人公、と。100ドル出して、地縛霊のPVを作ってきたわけね。
ことね:他にもね……歌詞に"ドラゴンを引退させるほど"って一節があるんだけど、AIはそこで、律儀に本物のドラゴンを画面に出しちゃう。あと、曲のビートは正しく聞き取れてるのに、映像の動きが合ってなくて——キスシーンが、なぜか超スローモーションでぬる〜っと進むの。
ひかり:全部まじめにやってるのに、全部ちょっとズレてるー! で、勝ったのはどっちだったのー!?
ことね:そこがオチでね。品質は"あえて言えばFable 5の100ドル版がちょっとマシ"、でも"正直どっちも良くはない"って結論なの。いちばんの問題はね、両方とも作り終わったあと、一度も自分で見返して直さないこと。撮りっぱなしで、はい完成でーす、って出しちゃう。
みずき:…そこよね。人間なら、できた動画を一回見て"うわ、顔ちがう"って気づく。AIは、その"最後に一歩下がって眺める"をやらない。速いし安いのに、詰めだけが甘い新人そのもの。……上司の胃が痛くなるやつ。
ひなた:ふぁ〜……でも、わたし、その撮りっぱなしの子、ちょっとわかるのです。おやつを作るとき、味見をわすれて、そのままお皿に盛っちゃうこと、あるのです……。だいじなのは、上手に作ることより、"できたあとに、ひと口食べてみる"勇気なのです。
まとめ:100ドルあれば、AIは動画をひととおり作れる。でも"できたものを見返して、あ、変だ"と気づくひと手間だけは、まだ人間に残されているらしい。