2000年もつローマの最強コンクリ、鍵は皇帝の"トイレ"
古代ローマのコンクリートはなぜ2000年ももつのか。米カリフォルニア大バークレー校の研究チームが、皇帝の別荘に残る1900年前のトイレの一片を調べ、空気中のCO2と反応してひびを自分でふさぐ仕組みを突き止めた。
ひかり:ねえねえ、2000年前のコンクリートが、いまだにビクともしない理由が、ついに分かったんだって! しかもね……その謎を解いたきっかけが、"皇帝のトイレ"なの!
ことね:ふふ、そこに食いつくと思った。まず前提ね——古代ローマのコンクリートは、2000年たっても平気で建ってる。なのに、いまのコンクリートは、だいたい100年ももたない。ずーっと"なんでローマのはこんなに丈夫なの?"が、大きな謎だったの。
みずき:…で、なんでトイレ。神殿とか水道橋とか、もっとマシな場所、いくらでもあるでしょ。
ことね:それが逆にいいの。米カリフォルニア大バークレー校のチームが調べたのは、ローマ近郊のティボリにある"ハドリアヌス帝の別荘"に残る、1900年前のトイレ。その便座の下から、コンクリの一片を取ったの。派手な神殿は後から何度も補修されるけど、トイレの床下なんて誰もいじらない。だから"作られた当時のまま"が、きれいに残ってた。先日、科学誌サイエンス・アドバンシズに発表されたばかりよ。
ひかり:なるほどー! で、肝心の"丈夫さの秘密"は、なんだったのー?
ことね:決め手は、"石灰が、空気を吸って治る"こと。コンクリの中の石灰が、湿り気と、空気中の二酸化炭素と、何百年もかけてゆーっくり反応して、カルサイトっていう硬い結晶に変わっていくの。その結晶が、細かいひび割れやすき間に少しずつ入り込んで、ふさいでいく。だから崩れるどころか、時間がたつほど、すき間が埋まって、どんどん密になって、水も通さなくなる。
みずき:…つまり。人間の作った石が、勝手に歳をとって、勝手に強くなる。しかも吸ってるのが、二酸化炭素。こっちのコンクリは100年でヒビだらけなのに、2000年前の石は空気で自分を直してる、と。……普通に負けてるじゃん、私たち。
ひなた:ふぁ〜……深呼吸するたびに、自分でひびを、そーっとふさいでいくの……えらいのです。わたしの、転んだひざのかさぶたも、いつのまにか治ってるの、あれと似てるのです。……いそがず、ゆっくり治るものが、いちばん長もちするのです。
ことね:……ひなた、いいこと言うわね。しかもこれ、ただの昔話じゃないの。固まるときに二酸化炭素を"吸ってくれる"コンクリートなら、地球にもやさしい。研究チームは、この2000年前の知恵をヒントに、"長もちして、環境にもいい"新しいコンクリートを作れないか、探してるのよ。
ひかり:2000年前のローマの職人さん、たぶん理屈なんて知らずに作ってたんだよね……。それを今ごろ、最新の研究で追いかけてるって——なんかすごいロマンだなー!
まとめ:2000年もつ秘密は、空気を吸って、ひびを自分でふさぐこと。最先端の答えは、皇帝のトイレの下に、ずっと埋まっていた。