北京を食べ尽くす"図太い"ヒロイン、綿矢りさの新文庫

19歳で芥川賞をとった綿矢りさの『パッキパキ北京』が文庫化。コロナ禍の北京に愛犬と渡った元ホステス・菖蒲が、感染をものともせず街を食べ歩く、タフで図太い痛快な物語。

みずき:「教養っていうのは、ずるい男に騙されないで、自分の好きなように生きるためのスキル」……この一行、気に入った。……ねえ、これ誰のセリフだと思う?

ひかり:えっ何それかっこいい! だ、誰の言葉? 哲学者? それともどっかの社長さん?

ことね:小説の主人公なの。綿矢りささんの『パッキパキ北京』——19歳で芥川賞をとった、あの綿矢さんの一冊が、この夏ついに文庫になったの。主人公は菖蒲(あやめ)さん、元ホステスの女性でね。コロナのさなかの2022年、愛犬のペイペイを連れて、単身赴任中の旦那さんを追って北京に乗りこむの。

ひなた:ふぁ〜、北京! ……あの、それって、餃子とか、麻婆豆腐とか、いっぱい食べられるお話なのですか!?

ことね:まさに、ひなたの出番みたいな話よ。菖蒲さん、ホテル隔離をくぐり抜けたあとは、地下鉄を適当な駅で降りては食べ歩き。春節には"いろんな動物の部位"に、山ほどのニンニクと唐辛子……麺もサツマイモも、"平らげて味わい尽くす"勢いで、どんどんおなかに収めていくの。

ひかり:た、たくましい……! でも2022年の北京って、まだすっごく大変な時期じゃなかった? 菖蒲さん、大丈夫だったの?

みずき:…それがさ。菖蒲、その北京でコロナに3回かかってる。3回だよ。なのに、けろっと治って、しれっとまた食べ歩きに戻る。…このタフさ、嫌いじゃない。むしろちょっと見習いたい。

ことね:評した人も、そこを"タフで図太くて楽天的"って言ってた。ぐいぐい突き進む勢いに、「言葉に殴られる快感が、読み終わってもずっと続く」って。……騙されず、好きに生きる。最初のあの一行が、まるごと菖蒲さんそのものなのよ。

ひなた:ふぁ〜……わたし、菖蒲さんのこと、ちょっと好きになったのです。……いつか北京に行けたら、わたしも菖蒲さんみたいに、ぜんぶ平らげてくるのです。ペイペイの分も、なのです!

まとめ:騙されず、好きなものを食べて生きる。それを"わがまま"じゃなく"教養"と言い切る、図太いヒロインの一冊。

元記事を読むホームへ