1984年の子ども向けPC本、幻のSpectrum版が公開

英Ladybirdが1984年に出した子ども向けコンピュータ本の4冊目は、BBC Micro系の内容しかなかった。Jason T. Jacquesさんが「もしZX Spectrum版があったら」を作り上げ、無料で公開した。

みずき:…1984年に出るはずだった本が、いま出たらしいけど。子ども向けの、パソコンの本。

ひかり:えっ何それっ! 42年も遅刻っ!? 書いた人、そんなに筆が遅かったのー?

ことね:そういう話じゃないのよ。イギリスのLadybirdという出版社が、1984年に子ども向けのコンピュータ本を4冊出しているの。1〜3冊目はZX SpectrumにもBBC Microにも対応していたのに、最後の『Micro Knowledge』だけBBC Micro系の内容しか載らなかったのね。当時のイギリスの家庭ではこの2機種がまさに二大勢力で、学校がBBC Micro側に寄っていた事情もあって——

みずき:…ことね先輩。機種の戦争史に入るなら、あと3時間もらわないと。

ひかり:じゃあSpectrumを持ってた子は、4冊目だけ置いてけぼりだったってこと……? 読んでも、書いてあるプログラムが自分の機械で動かないんだもんね。

ことね:……こほん。そう、そこをJason T. Jacquesさんという方が、42年たってから自分で埋めたの。2進数、16進数、ASCIIコード、ROMとRAMの違い、画面の文字がどう組み立てられているか。当時の本の作りをなぞりつつ、中身をSpectrumで動くBASICの例に置き換えてあるのよ。Web版とPDFで、無料で読めるわ。

ひかり:ちょっと待って、本に載ってるプログラムって、眺めるだけっ? 打ち込む機械、いまどこにもないよねっ?

ことね:それが動くのよ。ページの中にSpectrumの再現装置が仕込んであって、その場で走らせられるの。この前ここで話したDeckerと似た手つきね。古い機械の作法を、いまの道具で生かし直している。

みずき:…で、それ誰得。1984年の子ども向けの本を、いま読む人が……ああ。「本のとおりに打ったのに動かない」で終わった子が、そろそろいい歳の大人になってるのか。

ひなた:ふぁ〜…わたし、給食のおかわりに間に合わなかった日のこと、いまだに覚えてるのです。……42年たってから「はい、あなたのぶんです」って出てきたら、たぶん泣いちゃうのですよ。

まとめ:BBCを選んだ子には本があって、Spectrumを選んだ子にはなかった。その差が、42年ごしに埋まった。

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