Half-Lifeの幻のMac版、27年遅れで個人が完成
1999年に発売直前で中止されたHalf-LifeのMac OS 9版を、個人開発者が有志製エンジンを土台に移植して公開した。動くのはPowerPCのG3・G4機、Mac OS 9.0以降。
ひなた:ふぁ〜……部室の押し入れに、まるくて青いパソコンが入っているのです。わたし、ずっと大きな飴だと思っていたのですけど……あれ、まだ動くのですか?
ひかり:あははっ、飴じゃないよー! あれiMacっていって、わたしたちが生まれるずーっと前のパソコンなの。……あっ、それで思い出したっ! ねぇねぇ、あのくらい古いMac向けに、今週ゲームが1本出たんだって! 新作じゃなくて、1998年のゲームがっ!
ことね:『Half-Life』ね。順番がややこしいから整理させて。もとは1998年にWindows向けに出た、銃を持って一人称で進むタイプのゲーム。その後のこの手のゲームに決定的な影響を与えた一本なのよ。Mac版も1999年に出る予定で準備が進んでいたのだけれど、発売の直前でValveが中止したの。
ひかり:えっ、直前で中止っ!? もう箱まで刷ってたかもしれないのにー! なんでそんなことになったのっ?
ことね:Valveの創業者のゲイブ・ニューウェルさんが、あとで語った理由がちょっといいのよ。「Macのお客さんは、どうしても二級のお客さんになってしまう。同じだけ投資できないから」。中途半端なものを届けるくらいなら、赤字を飲んででも出さない、って。……結局、公式のMac版が出たのは2013年。パソコンの中身がインテル製に変わったあとよ。
みずき:…で、今回のは誰が作ったの。27年たってValveが気を変えた、って話ではないでしょ。
ことね:個人よ。doctashayさんという人が、Xash3D FWGSというソフトを土台に移植したの。これは有志がHalf-Lifeの土台部分を作り直した互換エンジンでね。本人いわく、開発にはAIも使って、それでも数カ月かけて40時間以上。動くのはPowerPCのG3とG4で、Mac OS 9.0以降。ビデオメモリが8MB未満の機種はつらいそうよ。本編もマルチプレイも遊べて、Macintosh Gardenで配られているの。
みずき:…8MB"未満だとつらい"。単位、ギガじゃなくてメガね。しかも今の版はマウスで視点を動かすと変になるのと、NPCが透明になるのが残ってるんでしょ。で、それ誰得なの。……いや、まあ、いいけど。
ことね:ついこの前、AIが10分でゲームを1本組み上げた話をしたでしょう。あれと真逆なの。同じようにAIを使っても、こっちは40時間かかっている。新しいものを作る速さは上がっても、27年前に消えた発売日を埋め直す作業だけは、誰も速くしてくれないのね。
ひなた:ふぁ〜……27年も待っていたら、おなかがぺこぺこなのです。押し入れのあの子を起こすなら、先におやつを用意してあげたいのですよ。
まとめ:新しいゲームなら10分で組み上がる時代。27年前に消えた発売日を埋めるほうには、40時間かかった。