ゲーミングマウスの中身が読めない。だから自分で書いた
キーボードで知られるKeychronが、ゲーミングマウス用のオープンソースファームウェア「ZGM」を発表。Zephyr RTOSベースでGPL-3.0、正式公開は2027年1〜3月ごろの予定。
ことね:ふだん握っているマウスの中に、小さなプログラムが入っている……って、あまり考えないでしょう。でも入っているのよ。ファームウェアといって、ボタンを押した合図や、動かしたぶんの数字を作って、パソコンに渡している。で、その中身は基本、持ち主にも読めないの。
ひかり:えっ、マウスにもソフトが入ってるのっ!? わたし、線と電池とスイッチが詰まってるだけだと思ってたー! ……で、読めないと何が困るのっ?
ことね:たとえば押してから画面が動くまでの間を詰めたいとき、メーカーが直してくれるのを待つしかないの。本体が壊れていなくても、対応をやめられたらそこで終わり。……自作キーボードの世界には、QMKやZMKっていう「誰でも読めて、書き換えていい」土台があってね。キーの割り当てを好きに組み替えられるのは、あれのおかげなのよ。そこでKeychronが啖呵を切ったの。「キーボードにはQMKがある。ZMKもある。マウスには……何もない」って。
みずき:…で、そのKeychronは何を作ったの。文句だけ言って終わりじゃないでしょうね。
ことね:ZGM——Zephyr Gaming Mouseね。Zephyrっていう、小さな機械のための下地の上に作るファームウェアで、ライセンスはGPL-3.0。中身を読んで、書き換えて、配り直していい。商売に使うのもかまわないの。ZMKと同じ下地だから、キーボード側で積み上げた知恵をそのまま持ち込めるのが強みよ。最初に載るのはG6 HEというマウスで、重さ46g、電池は交換式で予備が1本ついてきて、89.99ドル。9月の頭に出る予定なの。
ひかり:えっ、じゃあことね先輩、9月に買ったら、その日から自分でいじれるってことっ?
ことね:そこは正直に言うわね。ZGMの正式なお披露目は2027年の1〜3月ごろの予定なの。いま公開されている置き場にあるのは、方針と作業予定と足場だけ。ファームウェアの中身も、どの基板で動くかの一覧も、組み立て方の説明も「準備中」。対応ハードの欄は、まだ「なし」よ。
みずき:…「読めない・調べられない・変えられないファームウェア」に啖呵を切った先が、まだ読むものが入っていないフォルダ。……まあ、先に看板を立てたぶん、逃げにくくはなったけど。
まとめ:「マウスには何もない」と啖呵を切った先は、まだ読むものが入っていないフォルダ。看板が本物になる予定は2027年。