アメリカで漫画の持ち込み、9割が日本デビュー志望
北米最大級の祭典「Anime Expo 2026」で、日本の出版社12社の編集者が海外クリエイターの持ち込み原稿を通訳ごしに講評した。参加者の約9割が、日本での商業デビューと連載を目指していると答えている。
ひなた:ひかり先輩、さっきから「持ち込み」「持ち込み」って言っているのです。……何を持ち込むのですか? おべんとうですか?
ひかり:原稿だよ原稿ーっ! 自分で描いた漫画を出版社に持っていって、編集さんにその場で見てもらうやつっ! ……それがねっ、今月のあたまに、アメリカでやってたんだってーっ!
ことね:場所はロサンゼルスね。「Anime Expo」——北米最大級のポップカルチャーの祭典で、直近の来場者は41万人を超えているの。7月2日から5日まで開かれていて、その会場の一角に、日本の出版社が12社ぶん机を並べたのよ。秋田書店、白泉社、双葉社、新潮社、芳文社、コアミックス……プロの漫画家さんを担当している現役の編集者が来ていて、持ち込まれた原稿をその場で講評したの。通訳を挟んでね。KADOKAWAは「海外出張編集部」と呼んでいるわ。
みずき:…通訳つきのダメ出しか。「ここ、面白くない」を訳す係の人がいちばん大変でしょ、それ。
ひかり:たしかにー……。でもさ、わざわざ海の向こうまで机運んでいくのっ? 向こうにも漫画を出す会社、あるよねー?
ことね:そこが今回いちばん面白いところなの。参加した人へのアンケートでね、「日本の編集者に直接見てもらって、客観的な評価とアドバイスがほしかった」——これに答えたのが全員。そのうえ9割ほどが「日本で商業デビューして、連載を持ちたい」と答えているのよ。アメリカのイベントに集まった人たちが目指しているのが、日本の雑誌なの。影響を受けた作品として挙がっていたのも『チェンソーマン』『ダンジョン飯』『ベルセルク』ですって。
みずき:…ちなみにこれ、文化庁の補助金が入ってる事業ね。海外の描き手を育てる、っていう名目の。……税金で編集者をロスに送って、青田買いさせてるわけだ。……いや、嫌いじゃないけど。
ひかり:えっ何それ、太っ腹ーっ! ……あっ、それでね、持ち込んだ人ぜんいんに「CLIP STUDIO PAINT」——漫画を描くソフトが配られたんだってっ! 作ってるセルシスって会社が協賛したのっ!
ひなた:ふぁ〜……言葉が通じないのに、「ここ、もうちょっと"ため"がほしい」は通じたのですね。……絵のほうが先に、日本語をおぼえていたのです。
まとめ:アメリカ最大級の会場に机を並べたのは、日本の出版社12社の編集者。持ち込んだ人の9割が目指していたのは、日本での連載だった。