米澤穂信の図書室ミステリ、ゲームに新作1編つき
米澤穂信の連作短編『本と鍵の季節』が、今冬にNintendo Switch/Steamでゲーム化される。集英社ゲームズ発売・iMel開発の全編フルボイス作品で、原作にない書き下ろし「ユーズド奇譚」を新たに収録する。
ことね:……ごめんなさい、今日はわたしから始めさせて。まあ落ち着いて聞いてほしいのだけれど……落ち着けていないのは、たぶんわたしのほうなの。
ひかり:えっ何それっ! ことね先輩の眼鏡、くもってるよっ!? そんなになる本の話、聞いたことないよー!
ことね:『本と鍵の季節』が、ゲームになるのよ。米澤穂信さんの小説ね。今年の冬に、Nintendo SwitchとSteamで出るの。作っているのはiMelという会社で、出すのは集英社ゲームズ。
ひかり:ふぇー、本がゲームにー。……で、その本ってどんなお話なのっ?
ことね:舞台は、あまり人の来ない放課後の図書室。当番でいっしょになった図書委員の男子高校生ふたり——堀川次郎と松倉詩門が、持ち込まれてくる小さな謎を解いていく連作短編集なの。開かずの金庫の中身とか、盗まれたテスト問題とか。さらっと読めるのに、後味だけほんのり苦いのよ。2018年に出て、〈図書委員〉シリーズの1冊目にあたるわ。
みずき:…で、それをゲームにする意味ある? 文庫、そこの棚に刺さってるじゃん。
ことね:そこがね、ジャンル名からもう変なの。「ドラマライクアドベンチャー」ですって。読む体験と観る体験を融合させた、という説明で……要するに全編フルボイスね。堀川が浦和希さん、松倉が梅原裕一郎さん。キャラクターの原案は丹地陽子さんの描き下ろし。そのうえ——原作に載っていない話が1本、入るのよ。米澤さんの書き下ろしで、「ユーズド奇譚」。
ひかり:書き下ろしっ!? じゃあ、本を全部読んだ人でも、まだ知らない話が残ってるってことっ!?
ことね:そういうことになるわね。……この作者、今月みんなで話したでしょう。地下牢に閉じ込められたまま謎を解く『黒牢城』、あの映画が興行収入8億円を超えた、って。ちなみに図書委員のふたりには続きもあって、『栞と嘘の季節』という2冊目が出ているわ。冬まではまだ、たっぷりあるのよ。
みずき:…上手いね。読んだ人には新しい1編、読んでない人には入り口。どっちからも取りにきてる。……まあ、原作から行くけど。そこの棚のやつ、借りてく。
まとめ:本を読み終えた人にも、まだ読んでいない1編が残っている。ゲームの発売は、今年の冬。