女子駅伝の部活に事件が続く小説、松本清張賞に

第33回松本清張賞に、森山世衣さんの『ひなたの中継点』が選ばれた。全国高校駅伝の優勝をめざす女子陸上部を舞台に、走る日々と部員に相次ぐ不審な出来事を描いた長編で、9月下旬に刊行される。

ひなた:……あのですね。わたし、本になったのです。9月に出るのです。

ひかり:えっ!? ひなたが本っ!? い、いつのまにっ! どのへんがっ!? 全部っ!?

みずき:…落ち着いて。……『ひなたの中継点』。……一致してるの、題名の頭だけ。

ことね:第33回松本清張賞の受賞作ね。書いたのは森山世衣さん。2001年に大阪府で生まれて、京都大学の総合人間学部を出た方よ。松本清張賞は、長編を1本書き下ろして応募する新人向けの賞で、賞金は500万円。贈呈式は6月24日にあって、本になるのは9月下旬の予定なの。

ひかり:中継点って——駅伝のっ!? タスキ渡すとこっ!?

ことね:そう。全国高校駅伝の優勝をめざす女子陸上部が舞台なの。走ることに真正面から向き合う部員たちを描きながら、その子たちに不審な出来事が次々と起きる。……青春とスポーツとミステリを、1本の襷でつないだ話ね。

みずき:…部活ものをやりながら、謎解きもやるの。……欲張ると、だいたいどっちも半端になる。

ことね:それがね、選考委員を代表して話した森見登美彦さんの講評が、ちょっと面白いのよ。まず「自分は走ることが大嫌いだ」と前置きしたの。そのうえで、この小説は走る楽しさを伝えてくる、読んでいると主人公と一緒に走っている気がする、って。……書いた森山さんのほうも、出発点は「女性がスポーツをするということの過酷さを物語で描いてみたい」という気持ちと、「走ることが本当に好き」という気持ちの、両方だったと話しているわ。

ひかり:えー! 走るの大嫌いな人に、そこまで言わせたんだっ! それ、いちばん強い褒め言葉じゃんっ!

ひなた:……中継点って、わたし、いちばんいいところだと思うのです。自分の走ったぶんを、まるごと次の人に渡せる場所なのですよ。……ふぁ〜、だから題名にしたのですね。

まとめ:走るのが大嫌いな選考委員に、走る楽しさを認めさせた一作。襷を渡す場所の名前が、そのまま題名になった。

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