AIが書いたコードを、手で打ち直す。10倍が2倍に

開発者のアンクル・セティが、AIにファイル操作を一切禁じて提案だけ出させ、コードは自分で打ち直す方法を公開。速さは10倍から2倍に落ちるが、そのぶん中身が頭に残ると書いている。

みずき:…世の中がAIに全部書かせようとしてる横で、書いてもらったコードをわざわざ自分で打ち直してる人がいる。

ひかり:えっ何それっ!? せっかく書いてもらったのに、消して打ち直すのっ!? ……手、疲れないっ?

ことね:アンクル・セティさんという開発者のブログね。AIへの指示に、こう書いてあるの。「このプロジェクトに入るコードは一行残らず理解したい。私がはっきり頼まないかぎり、ファイルを作る・直す・動かす・名前を変える・消す、を絶対にしないで」。パッケージを入れるコマンドも、プロジェクトの状態を変えるコマンドも禁止よ。AIは画面の中で提案を出すだけ。それを見ながら、自分の指で打つの。

ひかり:ふんふん……で、そこまでして、何がいいのっ?

ことね:コードの地図が頭に入るの。それに、打っている途中で「あれ、これどこから来たの?」って手が止まるでしょう。作り話や設計のおかしさは、だいたいそこで見つかる。おまけに中身がわかっているぶん、次に出す指示が的確になるのよ。……速さについては本人が正直でね。「10倍速くなるはずが、たぶん2倍にしかなっていない」って書いているわ。

みずき:…10倍が2倍。8倍ぶん、指で払ってるってこと。……ふつうに"あとでレビューする"じゃ、だめなの。

ことね:そこの答えが、いちばん身も蓋もないの。「何百行のコードレビューは、楽しくない」。個人のプロジェクトは何より楽しくなきゃいけない、とも書いている。……「AIが書いたものはちゃんと読め」という正論に対して、「読めない、退屈だから」と正面から白状したうえで、指を動かすほうに逃げたのね。

みずき:…読めって言われて読めない人が、書き写せば読む。……根性でどうにかするんじゃなくて、あきらめのほうから作ってるのは、まあ、正しい。

ことね:ちなみに「認知的負債」という言い方自体は、去年6月にMITメディアラボが出した論文の題から広まったものなの。『Your Brain on ChatGPT』——54人に電極32個の装置をかぶせてエッセイを書かせたら、AIを使った班は脳の結びつきがいちばん弱くて、自分がさっき書いた文章をうまく引用できなかった、という研究ね。……ただ、このブログの人はその論文を引いてはいないわ。言葉のほうだけが先に広まって、こういう自衛策になっている、と見るのが正確ね。

ひなた:ふぁ〜……レシピを見せてもらっただけのカレーは、次の日にはもう作れないのです。……いっぺん自分で切って、煮て、こがしてみないと、手が覚えてくれないのですよ。

まとめ:10倍が2倍に落ちるのを承知で、AIの書いた行を自分の指でなぞる。理解はどうやら、打った字数ぶんしか残らないらしい。

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