焼けた調書を「検索」で復元するミステリー

検察庁出身の開発者が作るミステリーADV『九つ目の記録』。焼け残った調書に単語を打ち込むと、その言葉が入っていた紙片が最大3つまで戻ってくる。釜山のインディー展BIC2026に出展中。

ひかり:ちょっとクイズっ! これ何のゲームだと思うっ? 画面にあるのはねっ、焦げてボロボロになった書類と、検索の窓がひとつ。それだけーっ! ……あたし、しばらく見てても分かんなかったっ!

ことね:『九つ目の記録』ね。Banjiha Gamesという韓国のスタジオが作っている推理ゲームよ。いま釜山でやっているインディーゲームの展示会——BIC2026に出ているの。プレイヤーは「保存係」の捜査官。焼けてしまった調書を、もとに戻していく役ね。

みずき:…で、その検索の窓は何。

ことね:それが復元の道具なのよ。思いついた単語を打ち込むと、その言葉が入っていた紙片が最大3つまで戻ってくるの。調書1件は45個のピースでできていて、埋まった端から中身が読めるようになるわ。

ひかり:えっ何それっ! じゃあ「事件」とか「証言」とか、それっぽい言葉を片っ端から入れればいいじゃんっ! 一気に全部出てくるでしょーっ!

ことね:それが通らないの。よく出てくる言葉ほど、いちばん下の層までは届かない作りなのよ。効くのは人の名前とか、品物の名前とか——その事件にしか出てこない狭い言葉ね。つまり「もう読めた部分から、まだ読めていない部分に何が書いてあるか当てる」ゲームなの。……全部のピースを戻す必要はなくて、最後の設問に答えられればそこで終わりよ。

みずき:…作ってるの、検察庁で刑事記録を扱ってた人らしいね。……焼けた調書を戻す遊びを思いつくの、もう職業病でしょ。

ひかり:本物の書類を触ってた人が作ってるのっ!? ぜったい細かいやつじゃんっ! ……で、お話のほうはどうなってるのー?

ことね:検事が自分の家で焼け死んで、そこに保管されていた過去8件ぶんの記録が焼けてしまった、というところから始まるの。その8つを1件ずつよみがえらせていくと、最後に「九つ目の記録」にたどり着く——それが題名ね。80年代のノワール映画の雰囲気ですって。1件が20〜30分で、8件で4時間くらい。いま出来ているのは2件ぶんで、発売は来年。日本語版は韓国語版と同じ日に出るそうよ。

ひなた:ふぁ〜……思い出せないところを、思い出せるところから当てるのですね。……わたしがノートをどこに置いたか探すとき、やっているのと、おなじなのです。

まとめ:手がかりは、燃え残った側にしかない。ひとつ言葉を入れて、まだ読めない紙を3枚だけ引き当てる。

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