料理漫画の味、再現したら「美味しくない」
料理研究家のリュウジが「『鉄鍋のジャン』は再現しても美味しいが『美味しんぼ』は美味しくない」と投稿し、賛否が真っ二つに。議論は再現性の話から「いつのレシピとして読むか」へ移っていった。
ひなた:ことね先輩、たいへんなのです。きのう、まんがに出てきたスープを、そのとおりに作ってみたのです。……ぜんぜん、おいしくなかったのです。
ことね:ひなた、それ……いま日本中で同じことを言い合っているところなの。料理研究家のリュウジさんが、先日Xにこう書いたのよ。「鉄鍋のジャンは再現しても美味しいけど 美味しんぼは美味しくないと言っただけです」。
みずき:…けんか売ってるでしょ、それ。
ことね:本人はそのつもりじゃないみたいよ。差が出る理由は「ちゃんとした料理研究家が監修についているかどうか」だろう、と推測しているの。素朴な料理を、物語の力で無理においしそうに見せているように感じる——だからフィクションとして楽しむべきだ、という言い方ね。しかも思いつきじゃなくて、去年から実際に作って検証しているのよ。牛脂でニンニクを炒めるスープとか、生クリームとベーコンとバターのカルボナーラとか。
ひなた:ふぁ〜……カルボナーラに、生クリーム。……わたしのおうちのは、入っているのです。
みずき:…いまの本場だと、卵とチーズと豚の脂だけ。生クリームを入れると「それは違う」って言われるやつ。
ことね:そう。……で、この話がいちばん面白くなるのは、ここからなの。リュウジさん本人が、そのあと見方を修正しているのよ。「昔のイタリアにも生クリーム入りのカルボナーラはあった」という指摘を受けて。つまりあのレシピ、間違っているんじゃなくて、古いのかもしれないということね。
みずき:…40年以上前の漫画を、いまの正解で採点してたわけだ。
ことね:反論している人たちも、だいたいそこを突いているわ。連載が始まったころの食文化と、手に入る食材の質で読むべきだ、と。あとは単純に、おいしく作れる料理だってたくさんあるのに、一部の例で全部を決めるな、という声ね。
ひなた:ふぁ〜……でも、まんがのごはんって、ひとくち食べた人がぱあっと光って、うしろに海とか出てくるところまでが、レシピなのです。……そこは、おうちでは作れないのです。
まとめ:漫画の料理が外れているんじゃなく、レシピが古いだけかもしれない。動いたのは、採点する側の物差しだった。