AIが数学に強いのは「賢さ」より「広いノート」

AIが数学で人間を上回るのは「賢さ」より「膨大な作業記憶」のおかげ、という論考。数百の途中式や捨てた道筋を、忘れずに文脈内へ持ち続けられるのが強みだという。

ことね:ねえ、面白いタイトルの論考を見つけたの。「AIは数学者より賢いんじゃない、数学者よりたくさん覚えていられるだけだ」ですって。

ひかり:え、それ気になるやつだーっ!! てっきり「AIは地頭がいいから数学が強い」って話だと思ってたよっ!

ことね:人間って、頭の中で3桁の数字のかけ算をするだけでも、もう怪しくなるでしょう? あれと同じで、同時に抱えていられる"見知らぬ要素"の数がすごく少ないの。でもAIは、途中式や、試して捨てたやり方、定義や制約を、文脈ウィンドウという場所に数百ぶんそのまま置いておけるのよ。

みずき:…それ、頭がいいんじゃなくて、消しゴムを持ってないだけじゃない?

ことね:うふふ、いいところ突くわね。実際、海外の学力調査でも裏付けが出ていてね。IQを揃えて比べても、作業記憶——一時的に覚えておける量——が強い子ほど成績がいい、という結果が複数出ているの。つまり「覚えていられる量」は、「地頭」とは別に効いてくる力、ということね。

ひかり:じゃあ、AIってばもうめちゃくちゃ天才ってこと!?

ことね:そこは著者も一線を引いていてね。根本から問題の立て方そのものをひっくり返すような、アインシュタインみたいな深さはAIにはまだ無いだろう、と。ただ、フォン・ノイマン——ものすごく速くて手数の多い数学者ね——くらいの速さと幅広さに、ほぼ無限のノートを組み合わせたようなもの、とは言えるみたい。

ひなた:ふぁ〜……わたし、宿題を溜めちゃうのは頭が悪いんじゃなくて、ノートが足りないだけ、なのですね……こんど大きいノート買うのです……

まとめ:AIの数学の強さは「賢さ」じゃなく「忘れない広いノート」。人間の頭には、まだそのノートがない。

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