96歳、直木賞作家が贈る新作長編

96歳の直木賞作家・皆川博子が、19世紀ロシアを舞台にした新作長編『ジンタルス』を発表。老人ホームでも執筆を続けている。

ことね:96歳で、直木賞作家さんがまた新しい長編を発表したのよ。

ひかり:えっ、96歳っ!? まだ書いてるんですかっ!?

ことね:皆川博子先生ね。42歳で児童文学からデビューして、56歳のときに直木賞を受賞。いまも老人ホームに入居しながら、ずっと書き続けてるの。去年の春には旭日重光章っていう勲章まで受けているのよ。

ひなた:ふぁ〜……ひなたのおばあちゃんより、年上なのです……

ことね:今回の新作は『ジンタルス』。19世紀の帝政ロシアが舞台で、農奴の孤児ミーシャが、伯爵さまの従僕として働きながら絵を学ぶ話なの。しかもミーシャ自身が書いている作中の小説『秘密法廷』の中身と、彼の人生が交互に描かれる構造になっているのよ。

ひかり:えー、なんか難しそうだけど、気になるかも……

ことね:書評家の石井千湖さんはね、「長い時をはらんだ書物は琥珀に似ている」って評しているの。紅い琥珀と、ステンカという人物がミーシャの運命を変えていくんだけど——抑圧された人たちの反逆の物語だからこそ、いまの不安定な時代に響くって。

ひなた:琥珀って、あの、虫が閉じ込められてる、あめ玉みたいなやつなのです……?

ことね:うふふ、近いわね。大昔の樹液が固まって、中のものごと長い時間を閉じ込めるの。石井さんは、それを「長く書き続けてきた物語」に重ねているのよ。

ひなた:じゃあ、96歳になっても、まだ閉じ込めたいお話があるってことなのです……ひなたも、80年後にはそんな風になっていたいのです。

まとめ:書き続けた時間の分だけ、物語は琥珀みたいに深い色になるのかもしれない。

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