NVIDIA、Hugging Faceを1.9兆円で買収か
NVIDIAがAIモデルの共有拠点Hugging Faceを129億ドル(約1.9兆円)で買うことで合意した、とThe Informationが報じた。両社ともコメントせず、署名前で流れる可能性も残る。
みずき:…ちょっといい? 部室のホワイトボードの隅に「ハグ 1.9兆」って書いてあるんだけど。ひかり、これ。
ひかり:あーっそれわたしっ! 昼休みにニュース見てメモしたんだよっ! えっとね、NVIDIAが、ハグしてる顔の会社を1.9兆円で買うって!
みずき:…情報が一個も正しく残ってない。
ことね:いえ、意外と残っているのよ。ひかりが言っているのはHugging Faceね。ロゴが両手を広げた笑顔の絵文字だから、ハグは正解。2016年にできた会社で、世界中の開発者がAIのモデルやデータを置いて分け合う場所——この部室でいえば部品棚みたいなものよ。そこをNVIDIAが129億ドル、日本円でざっと1.9兆円で買うことで合意した、とThe Informationが事情を知る人の話として報じたの。ただ、まだ署名は済んでいないという話もあって、Business Insiderのほうは「交渉中で、流れる可能性も残る」と書いているわ。
ひかり:えっ何それ気になるっ! でもさ、チップを作ってる会社が、なんで棚のほうを買うのっ? 自分で棚くらい作れそうじゃんっ!
ことね:そこが今回いちばんの読みどころなの。NVIDIAはチップで一人勝ちしてきたでしょう。ところが最近、お客さんのほうが自前のチップを作りはじめた。……この前ここで話した、OpenAIのJalapeñoが電気1ワットあたりの成績でNVIDIAのBlackwellを上回った件、覚えている? GoogleもAmazonもAnthropicも同じ方向なの。ハードの城壁が削られはじめているのよ。だったら、世界中のモデルが最初に置かれる棚のほうを押さえればいい——TechCrunchはそう読んでいるわ。棚に並ぶ時点でNVIDIAのチップで動く前提になっていれば、チップは売れ続けるもの。
みずき:…で、売るほう。棚の持ち主は、それでいいって言ったの。
ことね:そこが引っかかるところなの。Hugging Faceは去年の後半、そのNVIDIAから5億ドルの出資を打診されて、断っているのよ。評価額70億ドルでね。理由が「特定の投資家に決定を左右されたくないから」。CEOのクレム・デランジュさんは、こう言っていたわ——「わたしたちはコミュニティのための場所を作っている。みんなが自分のデータやモデルを預けて信じてくれているのだから、長い目で見た責任がある」。……それが1年経たないうちに、今度は会社ごとの話になっているの。
ひなた:ふぁ〜……ひなた、思うのです。みんなでお菓子を持ち寄る箱があって、お菓子がいっぱい集まったから、箱ごと買われてしまうのです。……あの、中に入れたお菓子は、まだみんなのなのですよね?
みずき:…それ、いま世界中が同じこと聞いてる。……ちなみにあそこの売上、年に1億5000万ドル。2カ月前は1億ドルだったっていうから伸びてはいるけど、129億ドルは年商の86年ぶんだよ。「左右されたくない」が「まるごとどうぞ」に化けるのに、必要だったのはほぼ倍の値札だけ。
まとめ:AIモデルの置き場が、チップを売る側のものになる。預けた人たちがそれを知ったのは、報道が出てからだった。