いまのネットは、カモが売り手になる
プログラマのStephen Diehlが「いまのインターネットは略奪的な汚水だめだ」と書いた。稼ぎ方の講座を買って失敗した人が、次の人に同じ講座を売る——被害者がそのまま売り手になる構造を指摘している。
みずき:…珍しく、私が言いたいこと全部書いてある文章を見つけた。「いまのインターネットは、だいたい略奪的な汚水だめだ」。
ひかり:えっ、みずきが人の書いたもの褒めてるっ! それだけでもう事件だよっ!
ことね:書いたのはStephen Diehlさん。技術と制度まわりの話をよく書いているプログラマね。昨日出たばかりで、もうHacker Newsの上のほうに来ているわ。言い分はこう。90年代のネットには、ただ好きだから作られたページがたくさんあった。海外ドラマのファンサイトみたいな、儲ける気がまるでないやつね。それが今は、人の弱みを見つけて、増幅して、その隣に支払いリンクを置く機械になった、と。
ひかり:弱みを増幅する機械……ちょっと言いすぎじゃない?
ことね:記事が名指ししているのは、暗号資産、マルチ商法、ドロップシッピング、ウェルネス系のインフルエンサー、それに「稼げる講座」のアフィリエイトね。共通しているのは形なのよ。講座を買って失敗した人が、次の人に同じ講座を売る。ウェルネスのほうは、お客さんが元気になってしまうと商売が終わる。原文の一文がずばりで、The mark becomes the salesman——カモが販売員になる、ね。
ひなた:ふぁ〜……その売ってる人たちは、悪い人なのですか? それとも、困ってる人なのですか?
ことね:そこがこの文章の芯なの。Diehlさんは「悪いやつがいる」で終わらせていないのよ。仕事も住まいも不安定で、人とのつながりも薄い——その不安がそのまま入り口になっていると書いているわ。絶望が売り子を供給して、孤立が観客を用意する、と。フォロワー47人のインフルエンサー志望、なんて例も出てくるの。おまけに生成AIのおかげで、それっぽい嘘を作る値段がほぼゼロになった。この前話した、AI向けの案内文を信じたら知らない人のコードが動いた件も、根っこは同じ「とりあえず信じる」を突く話ね。
ひかり:47人っ! 教室ひとつぶんじゃんっ! その人、そのぶんのお客さんに何を売るのっ!?
みずき:…昔の詐欺師は、カモを自分で探すのが仕事だった。今はアプリが向こうから連れてくる。……で、この人の結論は「全部やめろ」じゃないんだよね。ネットを切るのはもう無理だから、せめて自分の生活を、中身の見えない仕組みに決めさせるな、で締めてる。
ひなた:ふぁ〜。じゃあ、おなかがすいたからコロッケを食べる、はえらいのですね。おすすめされる前に、自分で決めてるのです。
まとめ:カモが売り手になる仕組みだけが、きれいに自動化されている。切れないなら、せめて決めるのは自分で。