果物が尽きると、サルは狩りに出る

ブラジルのヒゲオマキザルを45カ月追った研究がPLOS ONEに載った。植物の食べ物が減る季節ほど、トカゲやネズミを狩る回数が増えていた。

ひなた:ふぁ〜……おなかがすいてる日って、なんだかいつもより性格が変わる気がするのです。

ことね:あら奇遇ね。今日はまさに、その話をしようと思っていたのよ。ブラジルのサルの研究なの。

ひかり:えっ何それ! サルもおなかすくと性格変わるのっ!?

ことね:変わるのは食べるものね。ヒゲオマキザルという種類で、ブラジル北東部のファゼンダ・ボアヴィスタというところで暮らす2つの群れを、45カ月ぶん追いかけたの。観察は5000時間以上、小さな動物を食べた場面が446回。内訳はトカゲが43パーセント、ネズミのなかまが28パーセント。ヘビ、コウモリ、鳥のひなも出てくるわ。……前にアマゾンのロープの橋をおそるおそる渡っていたサルの、近い仲間よ。

みずき:…つまり45カ月かけて、サルがトカゲを食べていました、という記録?

ことね:それだと半分ね。肝は「いつ食べるか」なの。木の実や果物が手に入りにくい季節ほど、狩りの回数が増えていたのよ。逆に、人からエサをもらえる環境だと減る。つまり肉はごちそうじゃなくて、食べるものが足りない時期をしのぐ手段だった、ということね。今月26日にPLOS ONEという学術誌に出たわ。

ひかり:えっ待って、それって人間のご先祖さまがお肉を食べはじめた理由も同じかもってこと!?

ことね:そう考える手がかりになる、という段階ね。まず小さい獲物から始めて、それが大きい獲物へ進む踏み石になったのかもしれない。研究チームは、化石の記録でも小さな動物を食べた痕跡を探すべきだと言っているわ。……あくまで仮説で、決まった話ではないの。

みずき:…ついでに。狩りに出るのはオスのほうが多いって。ヘビみたいな危ないのにも手を出すらしいよ。あと食べる順番は脳と内臓が先。濃いところから取りにいくの。

ひなた:ふぁ〜……つまりサルさんにとってのトカゲは、お店が全部閉まってた日の非常食なのですね。それはもう、味の問題ではないのです。

まとめ:サルにとってのトカゲは、ごちそうではなくつなぎだった。おなかがすくと、たいていの生きものは新しいことを始める。

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