校閲者が主人公の恋愛小説、11月に公開

川上未映子の小説『すべて真夜中の恋人たち』の映画版が、11月13日に公開される。監督・脚本は岨手由貴子、主演は岸井ゆきの。今年5月のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でお披露目された作品。

ことね:11月13日。……その日は部活をお休みにさせてもらうわね。『すべて真夜中の恋人たち』を観にいくから。

みずき:…先輩が私用で部活を切るの、初めて聞いた。で、なにそれ。

ひなた:ふぁ〜……すべて、まよなかの、こいびとたち。……みんなで夜中にこっそり冷蔵庫を開けにいくお話ですか?

ことね:惜しいけれど違うわ。川上未映子さんが2011年に出した小説でね。主人公の入江冬子さんは、フリーの校閲者なの。校閲というのは、本になる前の原稿を読んで、誤字や事実の間違いを見つける仕事ね。人づきあいが苦手で、ひとりでいることを当たり前として生きてきた人。その冬子さんが、年上の物理の先生・三束さんと出会って、自分の孤独や感情と向き合っていく——そういうお話よ。それが映画になって、公開が11月13日。

みずき:…校閲。誤字を直す人。恋愛小説の主人公に据える職業じゃないでしょ、ふつう。

ことね:その地味さが要なの。人の書いた文章の間違いはいくらでも見つけられるのに、自分の暮らしのほうはどこも直せない人だから。……ちなみにこの小説、英語版が全米批評家協会賞の小説部門で最終候補に残っているのよ。講談社によれば、日本の作品では初めて。受賞は逃したけれどね。TIMEの「その年の必読書100冊」にも選ばれているわ。

ひなた:ふぁっ、すごいのです……! 世界じゅうの人が、まちがいさがしの人の恋を読んだのですね。

ことね:そう、それが今度は映画。監督と脚本は岨手由貴子さん、『あのこは貴族』以来だから、長編は5年ぶりね。冬子さんを演じるのが岸井ゆきのさんで、三束さんが浅野忠信さん。語りは声だけで松坂桃李さんが入るそうよ。……しかも、今年5月のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でもう世界初上映を済ませていて、海外でも10か国ほど配給が決まっていると報じられているの。

みずき:…5月にカンヌで、日本が11月。半年待たされる側なんだ、こっちが。

ひなた:ふぁ〜……こうえつさんは、まちがいを見つけるお仕事なのですよね。……その人でも、恋はまちがえるのですか?

まとめ:人の原稿の間違いなら、いくらでも見つけられる。自分の夜だけが直せない——その話が11月に開く。

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