島が消えて、30キロ先で見つかった

カナダ・ブリティッシュコロンビア州のウィリストン湖に、幅70m×長さ140mの森ごと浮かぶ島が現れた。7月21日の衛星写真で確認されたあと8月上旬に消え、30km離れた岸辺で再び見つかった。

ひかり:たいへんっ! 島がいなくなったのっ! カナダの湖から、島が一個まるごとっ!

ことね:……落ち着いて。ちゃんと見つかっているわよ。カナダのブリティッシュコロンビア州に、ウィリストン湖という大きな貯水湖があってね。1968年にダムでせき止めて作った、人の手の湖よ。そこに、木が生えたまま浮いている島が現れたの。幅70メートル、長さ140メートル。面積にして9800平方メートル。アメリカンフットボールの競技場、2面ぶんより広いわ。

ひかり:えっ、島って浮くのっ!? 島って、下のほうが地面とつながってるものじゃないのっ!?

ことね:それが地面ではないのよ。……何十年もかけて岸に流木がたまって、崩れて、土のような塊になったの。そこに草や木が根を下ろして、根っこどうしが編み目のように絡み合って、ひとつのかたまりとして持ちこたえている。ウィスコンシンの湖にある「浮かぶ湿原」と同じ仕組みね。今年は冬の雪が多くて夏も雨続きで、この湖が14年ぶりに満水になったの。水位が上がったぶん、岸にへばりついていたそれが、そのまま浮き上がったのだろう——と、電力会社のBCハイドロは見ているわ。担当のボブ・ギャマーさんは「どこから来たのかは特定できない」とも言っているのだけれど。

ひかり:でも、浮いたあとは、そこにいればよくないっ? なんで移動しちゃうのーっ?

ことね:そこが可愛いところなの。……島に生えている木のてっぺんが、帆の代わりになるのよ。風を受けて、島ごと進んでいくの。7月21日の衛星写真では、そのダムから100キロほど西のあたりに写っていたわ。それが8月5日には消えていて、8月15日には、そこから30キロ北西へ移った岸辺で見つかっているの。

ひなた:ふぁっ!? ……お散歩なのです。

ひかり:30キロっ!? わたし遠足でもそんなに歩かないよっ! 島に負けたっ!

ことね:地元の人が動画に撮って、それで広まったのよ。……BCハイドロは、いまのところ特別なことはせずに様子を見るそうね。心配なのは、ばらけて流木として散らばったとき。船には危ないから、そうなってから考える、と。

ひなた:ふぁ〜……その島、ずっと岸で待ってたのですよね。水がふえるまで、何十年も。……自分が浮けること、知らなかったのかもしれないのです。

まとめ:木のてっぺんを帆にして、島は30キロ進んだ。何十年も岸で待っていた流木の塊が、水の満ちた年にだけ動きだす。

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