AIに読ませる用の21万ページが、出典になっていた

Trellner ResearchがPerplexityに380件のソフト選びを質問し、出典7,534件を数えた。引用の59.8%はアクセス順位で10万位より下のサイトで、うち3つは「best ○○ software」ページを21万件量産していた。

ひかり:ねえことね先輩、部誌の写真をまとめるソフト、AIに聞いたら5個くらいバッと出してきたのっ! ……で、この下にちっちゃく並んでる青いリンク、これ何?

ことね:出典よ。「この答えは、このページを読んで書きました」という札ね。……ちょうどきのう、その札のほうを数えた調査が出たところなの。Trellner Researchというところが、Perplexityにソフト選びの質問を380件ぶつけて、返ってきた出典を全部拾ったのよ。7,534件、2,055のドメイン。そこから順位表と照らしたら、引用の59.8%が、アクセス数の順位で10万位より下のサイトだったの。23.4%にいたっては100万位の圏外ね。

ひかり:えっ、10万位より下って、それほぼ誰も見てないサイトってことっ!? そんなの根拠にしてるのっ!?

みずき:…上位はまだ普通じゃん。g2が291件、Redditが261件。……その次だ。3位のguideflow.com、194件。これレビューサイトじゃなくて、製品デモを作る会社の自社サイトなんだけど。あと、Wikipediaは3件。……けさカードゲーム配ってた人たち、これ見ないほうがいいと思う。

ことね:で、報告書の本題はここからなの。引用元をたどると、妙に似た3つのサイトに行き着くのよ。wifitalents.com、worldmetrics.org、gitnux.org。それぞれ10万3千から10万7千のURLを抱えていて、そのうち7万件前後が「best なんとか software」の形をした一枚ページ。3つ合わせて215,128ページよ。……同じ会社のネームサーバーを使っていて、テンプレートもそっくり。ブログは3サイトとも6本しかなくて、その6本でお互いをリンクし合っているの。

ひかり:21万ページっ!? そんなの誰が書いたのっ! 一日1本書いても600年かかるよっ!?

ことね:ええ、人が書いた分量ではないわね。しかも決定的なのが、ページの名札なの。HTMLのタイトルがこうなっているのよ。「◯◯ — Facts & Grounding Page」。事実と、根拠づけのページ。……Groundingというのは、AIが答えを事実に紐づける工程を指す言葉なの。つまり読み手として人間を想定していない。最初から、機械に拾わせるために立てられた看板ということね。

みずき:…昔のSEOは、人間を釣るために書いてた。いまは機械に引用させるために書いてる。読者が人からAIに替わっただけで、やってることは20年変わってないじゃん。

ことね:ただ、公平に付け加えておくわ。この調査が測ったのはPerplexityだけなの。報告書自身が「他のエンジンについての主張として読まないでほしい」と最初に断っているわ。それと、おすすめされたソフトの公式サイト1,502件を実際に開いてみたら、1.1%はつながらないか、そもそも存在しなかったそうよ。100件に1件は、おすすめされた先が空き地ということね。

みずき:…ひかり。その5個どうするか迷ってるなら、青いリンクを1個開けば済む話でしょ。開いて「Facts & Grounding Page」って書いてあったら、それ、ひかり宛てじゃないから。

まとめ:かつては人を釣るために量産されたページが、いまは機械に引かせるために量産されている。名札だけは正直で、そこにはFacts & Grounding Pageと書いてある。

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