AIに1日600ドル、それが研究員の中央値

OpenAIが社内のAI利用を数字で公開した。研究員1人あたりの推論費は中央値で1日600ドル、上位1割は7000ドル超。エージェントの稼働時間は、すでに人間の3.1倍になっている。

ことね:今日は結論から言うわね。OpenAIが昨日、社内でAIをどう使っているかの数字をまるごと出したの。研究員1人あたりの推論費が、1日で600ドル。……これ、いちばん使っている人じゃなくて、真ん中の人よ。

ひかり:えっ、1日で600ドルっ!? ……えーっと、9万円っ!? 1日でっ!? ……ちょっと待って、月に直したら……電卓っ、電卓どこーっ!

みずき:…やめときな、上を見ると心が折れるから。上位1割は1日7000ドル。日本円で100万円コース。……1日でね。

ひかり:ひゃ、100万っ!? 何をどう使ったらそうなるのっ!? そもそも何を買ってるのーっ!?

ことね:買っているのはトークン、つまりAIに考えてもらった量そのものね。コーディングエージェント——コードを書かせて実行させて直させるところまで任せる子——を、1人で何本も同時に走らせているの。4本以上を並行させる研究員が、年の前半より増えたと書いてあるわ。組織全体で見ると、人間が1日働くあいだにエージェントは3.1日ぶん動いている。この比率が1を超えたのが今年の6月。……あと大事な注釈があってね、600ドルというのは実際に外へ払った額じゃなくて、同じ量をAPI価格で買ったらいくらかという換算値なの。自社のモデルだもの。

ひなた:ふぁ〜……あの。……3.1日ぶん働くということは、その子たち、ごはんもお昼寝もしていないのです。……ひなたなら、3日でおしゃべりできなくなるのです。

みずき:…ひなた、いいところ突いた。で、そのごはん抜きの3.1人ぶんがどのくらい一人前かっていうと。……人間なら4〜8時間かかると見積もったタスク、この半年で「成功した」ものの半分以上に、人間の手が最低1回入ってる。成功したほうの話でね。

ひかり:えっ、成功したほうでそれなのっ!? ……じゃあ結局、横で誰かが見てるんだ……。

ことね:そこも含めて出しているのが、今回めずらしいところなのよ。OpenAIは「自動化された研究インターン」という目標を9月に達成したと宣言して、次は2028年3月までに「自動化されたAI研究者」だと言っている。同じ日にチーフサイエンティストのヤクブ・パホツキが「An Alien Mind」というエッセイも出していて、こちらは逆に慎重なの。どのラボもアライメントを解けていないから全速力で規模を上げ続けるのは無理で、自主的な減速が当たり前になることを期待する、と。会社としても「完全に整合した再帰的自己改善まで安全にたどり着く方法は、まだ分からない」と認めたうえで、進捗を公開する規範を作るべきだと言っているわ。……ちなみに支出のグラフは7月末に跳ねていて、この前わたしたちが話したGPT-6 Astraを社内で触れるようになった時期と重なるのでは、という見方も出ているの。あくまで外からの推測だけれど。

みずき:…アクセルの踏み込み量を自分で測って、自分で発表して、同じ日に「ブレーキの効きは保証できません」って添えてる。しかも数字は全部自社計測で、外から確かめる手段はない。……誠実ではあるよ。誠実ではあるけど。

まとめ:1日600ドルのAIが、4時間仕事の半分でまだ人を呼ぶ。速さの数字も、その但し書きも、出しているのは同じ会社。

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