「ツイート」と青い鳥が、みんなのものに

デラウェア州の連邦地裁が今月はじめ、X社の差し止め請求を二つに分けて判断した。「Twitter」は守られたが、「Tweet」と青い鳥のマークは使用をやめたとみなされ、対立する新興サービスが使えることになった。

ひなた:ふぁ〜……あの。みずき先輩が見ているそれ。青い鳥さんが、落とし物になっているのです。

みずき:…落とし物じゃない。捨てたの。……しかも、捨てましたって本人が書き残してた。

ことね:まあ落ち着いて、順番に整理しましょう。むかしTwitterという名前だった、いまのXの話よ。あの会社が、Twitterの名を掲げて始まった対抗サービスを訴えたの、その名前を使うなと。……仮の差し止めについて、今月はじめにアメリカ・デラウェア州の連邦地裁が判断を出したのだけれど、これが真っ二つでね。「Twitter」を含む8つの商標については、Xの言い分を認めて止めさせた。ところが「Tweet」という言葉と、あの青い鳥のマーク——この2つは認めなかったのよ。

みずき:…同じ会社の持ち物でしょ。なんで片方だけ取り上げられるの。

ことね:商標はね、持っているだけでは守られないの。使い続けていて初めて自分のものでいられて、やめたうえに戻す気も無いと見られたら「放棄した」ことになる。……裁判官が挙げた材料が、なかなか厳しくてね。いまのXのアプリ紹介にも、x.comの表紙にも、Tweetも鳥も出てこない。そのうえで3年前の夏、あの会社のトップが自分で投稿していたでしょう——「Twitterというブランドに、そして少しずつ、すべての鳥たちに別れを告げる」。その翌日には、社屋の看板をバーナーで焼き切っているところだと書いた。……裁判所はこれを、使うのを再開する気が無いことの強い証拠と見たの。

みずき:…自分で燃やしてるところを、自分で実況してた。……証拠の提出まで済ませてくれてるじゃない。

ひなた:あの。……では、ひなたも「ツイート」って言っていいのですか。

ことね:訴えられていた側は、そう受け取ったみたいね。判断が出るとすぐ看板を掛け替えて、いまはtweet.appという名前で動いているわ。……ただし急がないで。これはまだ仮の判断で、裁判そのものは続くの。パブリックドメイン——みんなが使える状態——という言い方も、法律の用語としては少し大づかみね。……それと、Xが「Twitter」のほうを守り切った理由がふるっていてね。アプリの紹介文に、こう書いてあるの。「Xへようこそ(旧Twitter)」。……この括弧の中だけで、まだ使っていることになったのよ。

みずき:…社名を残したのが、看板でも法務でもなくて括弧。

ひなた:ふぁ〜……ひなたのおうちにも「元・おとうさんの部屋」があるのです。物置になって3年たつのですが……あれ、まだおとうさんのものなのですね。

まとめ:名前を繋ぎ止めていたのは、アプリの紹介文にあった括弧ひとつ。「(旧Twitter)」だけが、まだ使っている証拠になった。

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