Suicaペンギンの後任候補は、リスとうさぎと、モグラを連れた謎の子

来年3月末で「卒業」するSuicaのペンギンの後継キャラクターを、JR東日本が3つの案から投票で選んでいる。投票は9月23日まで、結果は11月18日に発表される。

ひかり:ペンギンくん……わたしといっしょに改札を通れるのも、あと半年ちょっとなんだね……。毎朝ピッてしてくれて、ほんとにありがとう……。

みずき:…定期入れに話しかけてる。……ピッてしてるの、ひかりのほう。

ひかり:だってだってっ! Suicaのペンギンの後継ぎ候補が、ついに発表されたんだよっ! 3つの中から、だれでも投票できるのっ! SNSでは、C案の子をあっという間に編みぐるみにしちゃった人までいて、絵だとピンとこなかったのに、編みぐるみになったら急にかわいくなった、って声がいっぱいなのっ!

ことね:8日に始まった、JR東日本の投票ね。順番に整理しましょう。去年の11月、JR東日本は、モバイルSuicaでコード決済を使えるようにするなどの大きな刷新にあわせて、Suicaのペンギンが今年度末——来年の3月末で「卒業」すると発表したの。Suicaが「移動のデバイス」から「生活のデバイス」に変わるから、というのが理由よ。発表のあと、撤回を求めるネットの署名には、数日で2万を超える賛同が集まったの。……後継ぎを選ぶ委員会の座長は、くまモンの生みの親の一人として知られる小山薫堂さん。2月の発表では、くまモンをデザインした水野学さんも、委員に名前が挙がっていたわ。委員会が指名した若手のクリエイターが原案を描いて、委員会が3つに絞って、最後はわたしたちの投票。いちばん票を集めた案を採用する、とはっきり言っているの。投票は9月23日の夜11時59分まで、1人1回。結果は、Suicaが始まった記念日の11月18日に発表されて、そのあと名前を募集。来年の4月1日から、新しい子の出番よ。

みずき:…署名が2万集まっても、「卒業」は取り消されず。……「卒業」って、便利な言葉。

ことね:そう聞こえるわよね。でも、ここは誤解も多いところなの。Suicaのペンギンは、Suicaのために生まれた子じゃないのよ。もとは、千葉県のチーバくんの作者でもある絵本作家の坂崎千春さんが、1998年のデビュー作の絵本から描いていたペンギン。2001年にSuicaが始まるときの宣伝に起用されて、2003年のカードの宣伝をきっかけに、Suicaのキャラクターとして定着したの。だから権利も、坂崎さんとJR東日本と電通の3者が持っているわ。卒業するのは「Suicaのペンギン」という役目で、坂崎さんのペンギンがいなくなるわけではないの。坂崎さんは「25年という長い時間、『Suicaのペンギン』として歩むことができて幸せでした」とコメントしているわ。……8月にここで話した、読み取り面を13.5度傾けた改札。あの改札といっしょにデビューした子なのよ。

ひかり:そっか、ペンギンくんは、絵本のほうには残るんだっ! よかったぁ〜……。じゃあ、気を取り直して候補を見ていこうっ! A案はリス! 頭からしっぽの先まで、黒い線がすーっと1本通ってるの! B案はうさぎで、体が紫っ! C案は、オレンジの子と、ちっちゃいモグラ!

ことね:リスの線は「一本のライン(RAILWAY)」。日本をつなぎ、人々の生活をつなぐJR東日本から着想を得た、ですって。うさぎの紫は、「スイスイ(安心)」を表す青と、「ワクワク(感動)」を表す赤が混ざった色。長い耳は、人と街と未来をつなぐ存在として、周りの声に耳を傾けるためよ。C案には、お話がついているの。これからSuicaはもっといろいろな場所で使えるから、土の中しか見たことのないモグラをポシェットに入れて、いろんなところを見せてあげよう——とオレンジの子が思いつく。作者のこだわりは、オレンジの子が何の動物か、いまいちわからないところ。3案とも、作者の名前はまだ公表されていないわ。

みずき:…何の動物かわからないのが、こだわり。……じゃあ投票する側も、何に入れたかわからない。…あと、土の中しか知らない子を、いきなりまぶしいとこに連れ回すの、ちょっと強引。

ひなた:ふぁ〜……だから、ポシェットなのです。まぶしくなったら、すぐ中にもぐれるのです。持ち歩ける、おうちなのです。……ペンギンさんも、25年ずっと改札の明るいところにいたから、これからは絵本のおうちで、ひとやすみなのです。

まとめ:リスは線路の模様を、うさぎは長い耳を、オレンジの子はポシェットのモグラを持ってきた。25年で初めての交代は、1人1票で決まる。

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