Homebrew 7.0が公開。IntelのMacとは、あと1年でお別れ
Macの定番パッケージ管理ツールHomebrewが7.0.0を公開した。インストールの高速化や公式アプリ、脆弱性チェックが加わる一方、IntelのMacには新しいビルド済みパッケージが届かなくなり、動くのも2027年9月までになる。
ひかり:ねえねえっ、Hacker Newsで「Homebrew 7.0.0」が500ポイント超えだって! ……ホームブルーって、新しい入浴剤!? お湯が真っ青になるやつっ!?
みずき:…ブルーじゃなくて、ブリュー。家でお酒を造る「自家醸造」のこと。……お風呂に入れたら、事件。
ことね:MacやLinuxで使う、パッケージ管理ツールの名前よ。ターミナルに「brew install」とソフトの名前を打つだけで、探して、ダウンロードして、動かすのに要る部品までそろえて入れてくれるの。文字で操作するアプリストア、と思えばいいわ。……名前が醸造だから、用語もぜんぶお酒づくりなのよ。ソフトごとの作り方を書いた手順書は「フォーミュラ」、つまりレシピ。組み立て済みで届くパッケージは「ボトル」、瓶詰めね。Macの画面で使うふつうのアプリは「カスク」、樽。入れた先は「セラー」、貯蔵庫。インストールが終わると、ビールのジョッキの絵文字まで出るわ。……わたしたちは未成年だから、たとえ話が一つもピンとこないのが難点ね。
ひなた:ふぁ〜……ひなたのおうちも、毎朝やかんで麦茶を自家醸造しているのです。冷蔵庫に、ボトルが3本並んでいるのです。
ことね:それは「煮出し」ね。……本題に戻るわ。13日に7.0.0を発表したのは、プロジェクトを率いるマイク・マクエイドさん。まず速さ。ダウンロードと準備とインストールを並行して進めて、待ち時間を減らしたの。次に、公式のMacアプリ「BrewUI」が正式に出たこと。窓の中でソフトを探して入れられて、しかも裏で実行しているbrewのコマンドまで見せてくれる。黒い画面に慣れるための、補助輪つき自転車ね。それから安全面。入れたソフトに既知の脆弱性——セキュリティの穴——がないかを調べる「brew vulns」が最初から入って、Homebrew専用の脆弱性データベースもできた。ソフトを組み立てる作業は囲いの中——サンドボックスでやらせて、ホームフォルダの中身は基本的に読ませない。……ここまでは、うれしい話ばかりよ。
ひかり:すごーいっ、部室のMacにも入れようよっ! ……あっ、でも部室のって、卒業した先輩たちが置いていった古いやつだ。この前「このMacについて」を開いたら、「Intel」って書いてあったよ?
ことね:……そこが今回、いちばん寂しいところなの。Macは2020年から、Apple自前の「Appleシリコン」というチップに切り替わったでしょう。その前のIntelのMacが、7.0.0で「Tier 3」になったのよ。サポートの等級の3段目で、プロジェクトとしてはもう面倒を見ない、という扱い。新しいボトルが作られないから、更新されたソフトは、自分のMacで一から組み立てることになるかもしれない。そしてIntelのMacでは、2027年9月1日にHomebrewが動かなくなる予定。去年の8月から予告していたことよ。理由も書いてあるわ。AppleはmacOS 27「Golden Gate」でIntelのサポートをやめたし、GitHubも、自動テストに使うIntelのMacの環境を来年の秋に引退させる。「AppleとMicrosoftのGitHubという、世界最大級のテック企業2社がIntelのMacを支え続けられないのなら、残念ながらHomebrewにも無理だ」。Homebrewには社員がいなくて、ボランティアだけで回している非営利のプロジェクトなの。最後には「IntelのMacなら、MacPortsのほうがうまくいくだろう」と、よその道具まで勧めているわ。
みずき:…部室のMac、3軍落ち。……HNでいちばん返信がついてたのも、「さよなら、Homebrew。いい付き合いだった。——2019年のIntel iMacユーザーより」。マクエイドさん本人が「もっと長く支えられなくて、ごめん」って返してる。…別のところでは「IntelのMacBookでも7は動くよ。Linuxを入れればね」。……それ、もうMacじゃない。
ことね:もう一つ、名場面があるの。「アプリの画面が、Appleの標準アイコンじゃなくて絵文字なのが好きじゃない。ClaudeかCodexで作ったの?」と聞かれて、マクエイドさんは「作ったのは私じゃない。でも絵文字は私のアイデア。私もHomebrewも、AIよりずっと前から絵文字を使いまくってきた。AIが絵文字好きなのは、たぶん私のせい。そうだったら、ごめん」。……発表の最後では、ちょっとだけ胸を張っているわ。Homebrew本体のGitHubには、書いた時点で、片付いていない問題の報告が0件。6.0.0のころから、ほとんどずっとそうなんですって。
ひなた:ふぁ〜……古いMacさんには、もう新しいボトルが届かないのですね。……でも、ボトルが届かなくても、おうちのやかんで一から煮出せば、麦茶は飲めるのです。ちょっと待つだけなのです。……来年の9月にやかんが使えなくなったら、おとなりのMacPortsさんに、麦茶をもらいにいくのです。
まとめ:IntelのMacに、新しい瓶詰めはもう届かない。AppleとGitHubが下ろしはじめた荷物は、ボランティアだけでは担げなかった。