撮った瞬間、センサーが写真にはんこを押す。iPhone 18 Proの参照モード
Appleが、iPhone 18 Proの新機能「Apple Reference Image」の仕組みを公開した。カメラのセンサーが撮影の瞬間に画素へ署名し、Appleのクラウドで現像して、加工されていない「参照画像」を作る。
みずき:…ひかり。5時間目の数学、寝てた。証拠写真、撮っといた。
ひかり:えっ消して消してっ! ……ていうか、それAIで作った偽物でしょっ! いまどき写真なんて、いくらでも作れるんだから! 証拠にならないもんっ!
ことね:その言い逃れ、そろそろ通りにくくなるかもしれないわ。明日発売のiPhone 18 Proに、「Apple Reference Image」という機能が入るの。一昨日、Appleがセキュリティ研究のブログで仕組みを詳しく書いたわ。専用の「参照モード」で撮ると、カメラのセンサーそのものが、撮った瞬間に画素のデータへ電子署名をするの。署名は、デジタルのはんこね。あとから中身を書き換えると、合わなくなる。写真アプリでは、ふつうに撮った写真の隣にこの「参照画像」が並んで、見比べれば加工したかどうかが分かる、という使い方よ。ほかのアプリで表示するための仕組みも、iOS 27で開かれるわ。
ひかり:センサーがはんこ押すのっ!? ……でも待ってことね先輩、スマホの写真って、撮ったあと中でいっぱい加工してるって聞いたよっ? はんこ押したあとにいじったら、意味なくないっ?
ことね:いいところに気づいたわね! そこがいちばん凝ったところなの。センサーから出たままの画素は、そのままだと写真に見えないのよ。色を補って、明るさを整えて、JPEGに縮めて……。これまでの業界の方式、C2PAは、そういう処理のあとで来歴の情報を付けるの。Appleは、それだと途中のどこかが破られても、見る人には分からない、と書いているわ。だから参照モードでは、署名つきの生のデータを「デジタルのネガ」として端末にしまって、現像はAppleのクラウド、Private Cloud Computeでやるの。そこで動くソフトは外の専門家が確かめられて、Appleにも写真の中身は見えない作り。撮った時刻は、Appleの時刻サービスが出す「この時刻より後」「この時刻より前」の2枚の証明ではさむのよ。最後の署名は、量子コンピューターでも破られないように設計した方式。それに、撮った人の名前は入らないし、2枚が同じ端末で撮られたかどうかも、外からは分からないの。紛争地で撮る人が、身元を明かさずに本物だと示せるように、ですって! ……あっ、ごめんなさい、止まらなかったわ。
みずき:…で、穴。HNのコメント欄で盛り上がってた指摘。AIで作った偽の画像をきれいなモニターに映して、それを参照モードで撮る。センサーはちゃんと光を受けてるから、署名は本物。……偽物の、本物の写真。
ことね:その手口は、Appleの記事には名指しでは出てこないのよ。ただ、現像の前に、重みを公開していないニューラルネットで「このセンサーの生の出力らしい物理的な特徴があるか」を点数にする、とは書いてあるわ。点数の低いセンサーが取り消されたら、そのセンサーの写真にはもう署名しない。写真1枚ずつの取り消しもできるの。……それと、発表の翌日に、似た仕組みをオープンソースで作っていた2人がブログを出していてね。自分たちのもAppleのもC2PAも「問題を完全には解決していない。たとえば、画面を撮る攻撃はまだ通る」と、自分で書いているわ。
みずき:…で、それ誰得? ……HNでいちばん伸びてたコメントの答えは、「記者のため、は表向き。本命は保険の請求とか、本人確認のアプリ」。「スマホがないと暮らせない」が、「iPhoneがないと暮らせない」になるかも、だって。
ひなた:ふぁ〜……ひなた、きのうお弁当の写真を撮るとき、から揚げを手前に集めて、ぎっしり入っているように見せたのです。……あれも、ぜんぶ本物の写真なのです。
みずき:…ひなた、それ。本物の写真でも、並べ方でうそはつける。……ちなみにひかり。いびきは写真に写らないけど、録音もしてある。
まとめ:センサーが証明できるのは、「その光が本当に届いた」まで。から揚げの並べ方は、はんこの外。